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愛煙家通信

2012年01月16日(月)

久々に京都四条のジュンク堂をうろついていたら、二階で変な雑誌を見つけた。
その名も「愛煙家通信」。
禁煙運動に対抗してこんな団体まであるとは。両者の精神分析が興味深い。

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雑誌もあるが、Web版もある。
http://aienka.jp/

相当に気合が入っている。
というか愛煙家の危機感が漂っている。

「タバコをやめる位なら死んだほうがまし!」と主張している女優さんは、
典型的なスモーカーズフェイスだ。
死んだほうが、といっているが、死にそうに見える。

伊集院静氏までも、「タバコを吸わないのは男ではない」と
言っているのだから、根は深い。

また須田真一郎氏は、週刊誌に「美しき分煙社会の作り方」を連載中だ。
一見、もっともらしい理屈で、分煙を説いている。
養老教授をはじめそうそうたる論客が顔をそろえている。

神奈川県喫煙条例はけしからんが、
兵庫県喫煙条例はもっとケシカランとも。
井戸知事は、禁煙過激派のように書かれている。

そうだったのか。
井戸知事は、彼らにとって大きな敵だったのか。
「愛煙家通信」を読むことで、愛煙家のみなさんの思考回路がよく分かる。

要するに、
1)タバコは体に悪くない。むしろいいものだ。
2)分煙がダメなら、車が何故いいのか?
3)タバコを吸う権利を認めて欲しい。
ということを、異口同音に主張している。

あきらるばかりだが、真の禁煙活動家なら
余裕を持って、彼らの頭の中を分析すべきであろう。

タバコとは恐ろしいものだ、とつくずく思う。
ニコチンに冒された脳は、ここまでなるのか。
タバコ以外に他にエネルギーを使うところはないのか。

私は現場の医師として、タバコに殺された人間を実に沢山見てきた。

もしタバコというものがこの世に無かったら、20歳代で死ぬことが無かった若者。
そんな若者の死の原因を考えた時、愛煙家通信の執筆者たちの想像力の貧しさに
唖然とするばかりだ。

おそらく、ニコチンが人間の脳を頑固にするのではないか。

一方、禁煙論者の攻撃性に閉口する時がある。
「タバコを憎んで人を憎まず」と言いながら、
タバコを擁護する依存症患者さんを攻撃している。

もっと、平和的に歩み寄れないのか。
「無用な対峙」では物事は解決しない。

タバコ問題は、大きく言って、2つあると思う。

1)タバコを吸う人自身が、かなりの損をするという事実。
2)煙を吸わされるひとの被害(受動喫煙)

恥ずかしながら私はよく
タバコをウンコに置き換えて考えてみる。

1)ウンコを食べたら、かなり損をするのではないか。いくら気持ちがいいとしても。
2)ウンコを食べた人の周りのひとは、あまりの臭さに我慢できないはず。

ウンコを食べる自由を認めて欲しい!
と言われても、ウンコの匂いを横でかがされる人は、たまったもんじゃない。
止めてくれ!と言う以外に言葉も理屈もない。

お寿司屋さんに入って、隣の人がウンコをしたらどうか?
私は、そんな寿司屋で食べたくない。

分煙と言っても、煙は横に流れこんでてくる
ドアを閉めて吸っても、煙の一部は開けた時に流れ出してくる。

薗潤先生は、分煙を「オシッコプール」だと比喩した。
しかしこれだと、「ちょっとくらいいいじゃないの?」となる。

私は、「寿司屋でのウンコ」に例えたい。
私は、タバコよりウンコのほうがまだ我慢できる。
息ができるからだ。


日本の知性までもが、冷静な判断力を失うのだから
タバコの呪いとは怖いものだと、つくずく思う。
タバコで死ぬときに、多くの喫煙者は後悔して死ぬ。

兵庫県の条例が、それほどまでに愛煙家に恐れられている現状を知った。
ならば井戸知事には、橋下氏のように嫌われてもいいから頑張って欲しい。

こんなこともできない政治家は、腰ぬけだと思う。
こんな問題は、エイヤ!と大阪の橋下さんに解決して欲しいのだが。

騙されている日本人が、あまりにも可哀そう。
「愛煙家通信」を見ながら、哀しくなった。









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この記事へのコメント

お世話になっております。

初コメントです。

私は、愛煙家でございますが、Dr、にお会いしてから、喫煙に対して真剣に向き合わなくては
と感じております。
常日頃、色んな事に置き換えて、物事を考えなくてはと思っております。
今回の「タバコをウンコ」に置き換えて考えてみる。
実に解りやすいやすいたとえです。
学校の「たばこの害」の授業で使うべきだと思います。

Posted by 酒の和です。 at 2012年01月18日 09:57 | 返信

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