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7月19日(土)百聞は一見にしかずー「シッコ」は素晴らしい映画でしたー
2008年07月19日(土)
噂の映画、マイケルムーア監督の「シッコ」を、ついに見ました。シッコとは、病気あるいは、精神異常者との意味ですが、この映画は、「アメリカの医療制度は精神的に病んでいて、まさに狂気の医療制度と言うべき状況である」と、訴える映画でした。
お金がなければ医療を受けることができないアメリカの悲惨な医療現状は、既に有名です。しかし若きヒラリークリントンが「国民皆保険制度」を本気で考えていた時代があったことを、この映画で初めて知りました。
彼女がもし初心を忘れなければ、真のリーダーになれたのに、なんて勝手なことを考えたりもしました。政治家全員が民間保険会社の回し者という、脳髄まで欲望に侵された国であることがよく分かりました。
この映画は、カナダ、イギリス、フランス、そしてキューバの医療制度も同時によく理解できる、極めて優れたドキュメンタリーです。
最後に、9.11の跡かたづけ作業で塵肺になってしまった女性ボランテイアが、キューバを訪問し、消防隊員に「我々は兄弟だ」と言ってもらい抱き合うシーンには、涙が出そうになりました。
マイケルムーアというアメリカ人は、愛国者であるとともに、米国の救世主になり得る人であることがよく分かりました。自分自身の批判サイトも映画に入れて自己批判もしながら、体当たり取材を、一見無邪気に敢行する。知的好奇心と愛国心の塊。素晴らしいアメリカ人でした。
彼には、今の日本の医療はどう映るのだろうか。何故、日本を取材しなかったのだろうか。少し疑問が残った。日本版は、大森一樹監督に撮ってもらいたいと勝手に連想しました。
日本は、今、崖っぷちに立たされています。少しアメリカ側に傾きかけています。外資の民間保険会社が、永田町や霞関に陳情を繰り返しています。黒船は下田に来ています。いや、江戸城の門をトントン叩いて、すでに何人かの門番が買収され、もはや時間の問題かもしれません。しかし、医療者と国民が一丸となって戦えれば、まだ阻止できます。大切なことは、パワーゲームに勝つことです。とにかく一丸になることです。
その後、神戸北野ホテルで、吉田悦子さんのフラメンコショーを、医師会の先生方や保健師さんたちと会食しながら鑑賞しました。大変レベルの高い、演奏と踊りでした。
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