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4月4日(土)

2009年04月04日(土)

高血圧と魚油の勉強会2本。夜は意識消失した友人に電話での禁煙指導し、メールでがん相談

 今日予定していたクリニックの在宅患者さんのお花見大会が雨のため中止になりました。せっかくクリニックを挙げて歌や楽器の準備をしていたのに残念でした。しかしテポドンが飛んでこなかったのは、とりあえずよかった。


 予定が空いたので、ソルトスタジオでマイルド温熱療法の臨床治験に関する打ち合わせをしました。往診をすませ、夕方から尼崎で開催された自治医大の島田教授による高血圧の勉強会に参加しました。その後、大阪に移動して魚の油の勉強会に当院の栄養士2名と参加し、今夜もダブルヘッダーの勉強会でした。懇親会では阪大2内の後輩達と世間話で和みました。


 帰る途中、友人の奥さんから「主人が意識消失した」との携帯電話が鳴りました。一瞬ギョっとしましたが幸い大したことなく、15分後に回復しました。ついでに電話で禁煙を説き、顛末を禁煙仲間のメーリングリストに投稿しました。家に帰るとがん相談のメールが来ていて、返事を書きました。

以上の2つの出来事に関して、ご参考までに簡単に紹介いたします。


今夜の禁煙仲間のメーリングリストへの私の投稿記事


・・・・私は在宅患者さんの禁煙治療もしています。正直、タバコの煙よりゴキブリ、ネズミ、虫、ネコの尿などによる健康被害(?)の方が大きいのが実態です。看護師さんの靴下代が心配です。

また私は元来、精神科志向が強く、そのためか沢山の精神の患者さんと毎日色々なお話しをします・・・肺が悪くて在宅酸素が必要、そのうえ認知症とうつ病がある、生活保護の在宅患者さんがおられます。保険(生保ですが)での禁煙治療はあえなく失敗。

ご家族にインフォームドコンセントを取って、自費診療でチャンピクスを1錠飲ませてみると、見事に喫煙本数が20→10本へと半減しました。6ヶ月ほどして、いったんチャンピクスを止めると、再び20本へ戻ってしまいました。酸素を吸いながらタバコを吸いますから火事が心配です。再度、チャンピクスを飲ませて欲しいというご家族からの要望があったので再開すると、やはり喫煙本数は半減しています。

チャンピクスの長期連用に関しては未知数なので、大きな声では言えませんが、本当の話です。オールオアナッシングの禁煙治療ですが、精神疾患患者さんだけは例外もありかな、と勝手に思っています。100点とらなくても、0点よりは30点の方がいい、なんて感じです。 

今夜も在宅患者さんからの携帯が鳴りっぱなしです。発熱、嘔吐、そして意識消失・・・
 21時ころ友達の奥さんから「主人の意識が10分以上ない」との電話が入りました。てっきり脳卒中かと思いました。救急搬送先を探そうとしたら、意識が回復して、なんとか本人が電話口に出れるようになりました。どうやら高血圧性脳症→TIA(一過性脳虚血発作)を起こした様子です。

奥さんに禁煙を説明していたら、本人は横で「もう吸っている」とのこと。先ほどまで意識がなかったのにもう吸っているとは。「アホか。こいつは。」と思います。止めるように言っても、本人は関係ないと言い放ちます。この1件だけで貴重なサタデーナイトの1時間も費やしているのに、当の本人がタバコの害を理解してくれない悲しさ、です。漫画家の高信太郎さんの「ニコチンの呪い」という言葉が、また浮かびました。


今夜のメールでのがん相談

【長尾先生への質問】
 
私の父の相談です。すい臓がんで、2年半前に十二指腸も一緒に摘出手術を受け、その後抗がん剤治療を受けましたが、2年後の昨年夏に再発して現在は、病院に通院しています。抗がん剤治療を受けるたびにかなり辛い思いをしているようですが、抗がん剤をやめるとがんが一挙に大きくなって、直ぐに死を迎えると父は考えているようです。

痛みもあるようですが、医師には隠していて、痛み止めは受けていないのですが、夜になると痛みがあり、鬱になっているようだと母は思っているようです。どうすればいいのでしょうか・・・

【私の返信】

長尾です。このような患者さんは結構おられます。

1)膵がんで2年ということですが、進行度はどうだったのでしょうか。薬はジェムザールか、TS1でしょうか。詳しい状況がわかりませんので、何とも言いにくいですが、全身状態さえ良ければ、抗がん治療は継続して差し支えないと思います。

2)痛みを我慢する患者さんは時々おられます。日本人の美徳が邪魔をしています。痛みの評価は往々にして甘くなりがちです。もっともこれは医師の感性、主観も問題ですから、偉そうに言えないかも知れません。痛みを我慢すれば当然、鬱にもなるでしょう。オキシコンチン10mgとオプソ5mgのレスキューだけで患者さんはたった1日で生き返ったように変わると私は思います。同じようなことを何度も経験してきました。

3)すなわち、化学療法と緩和医療が並行して行われないため、このような現象がおきるのだと思います。ですから自宅の近所で親切で熟練した在宅医を見つけるべきです。4月18日の当院主催の市民フォーラムに是非来てくださいね。この話をしましょう。

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