昨夜は在宅ステーション「かがやき」の開所式のあと、久々に行きつけのショットバーで一杯ひっかけました。常連客の中には、インフルエンザ業界関係の方もいて、ついつい話し込んでしまいました。帰りがけに肺がん末期の患者さんのご家族から携帯電話が鳴りました。苦しくてもがいているとのこと。急いでタクシーに飛び乗り往診に伺いました。速効型モルヒネと睡眠薬を飲んで頂き、ご家族を集めてまさかの時の説明もしてしました。しかし気がつくとポケットにあるはずの携帯電話がありません。携帯電話がないと在宅医療ができません。大変だ。さっきの患者さんはもう亡くなっているかもしれない、と急に不安になりました。何度か携帯を鳴らすうち、運良く電話が見つかったので、またお金を払って先ほどの運転手さんに届けてもらいました。やっと眠りにつくも、色々な電話が鳴りっぱなしで、少し寝たような寝ていないような朝を迎えました。

　金曜の昼休みには、ＭＲさんなどのお客さんが２０人以上来られます。多い時は３０人近くになります。一人１分で対応しても３０分はかかります。よく３分診療と揶揄されますが、１分面談で失礼して、大急ぎで医師会の会合に出席しました。ある人から、今日発売のフライデーに私の記事が出ていると聞かされました。大急ぎでコンビニで見ると大きな記事です。しかも「現役医師が実名告発」とエライことが書いてあります。前半は私の考えと真反対のことが書いてあります。先週金曜日、私のＭＲＩに掲載された記事を見た記者が来られて２０分ほどインフルエンザ診療についてお話しただけなのですが、たったそれだけのことが「現場からの告発」というセンセーショナルな見出しの大きな記事で掲載されたのです。ずいぶん飛躍したことが書かれています。論理的にも全く矛盾した記事で、私の言ったことを理解しないまま勝手な想像で書かれたのでしょう。インフルエンザ隠しなど兵庫県では全くありません。だからこういう事態になったのです。隠した可能性があるのは他府県の話です。今日、一番びっくりしたのは私自身です。「フライデーされる」とはこのような気分なのでしょうか？正直えらいことになりました。各方面から怒られること必至でしょう。

今夜も帰宅途中に緊急往診の依頼が飛び込み、結局またまた午前様の帰宅となりました。正確にいうと家に時々寄るという感じで仕事も多忙です。

今日、鳩山大臣が辞任しました。「正しいことが通らない政治はおかしい」と言っていました。確かにそのとうりです。私自身も末端開業医ですが、末端なりに正しいと思う事は主張したいと思っています。しかし文章で書くべきでした。取材は怖いです。自分の言っていないことを勝手に書かれて出版される。これほど怖いことはありません。せめて事前に見せて頂ければ・・・。大変勉強になった１週間でした。