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リウマチの勉強会、医師会新年会、そして昨夜に引き続いて心筋梗塞と糖尿病の接点を考える勉強会。
2010年01月17日(日)
昨日は嵐のような外来と新規を含む往診数件を終え、リウマチの勉強会、尼崎医師会新年会、そして昨夜に引き続き「心筋梗塞と糖尿病に接点を考える勉強会」とハシゴをしました。寒さが吹き飛ぶ刺激的な1日でした。尼崎医療生協病院の柏木先生によるリウマチ治療の勉強会に参加しました。近年4種類の生物学的製剤というリウマチ特効薬が登場し注目されています。当院から紹介した患者さんの治療経過についてもご紹介頂きました。
柏木先生は腰痛や膝痛を診ないという変わった整形外科医です。リウマチの手術はします。リウマチのみに全力投球しているのです。以前お会いした時に「僕を整形外科医ではなく、リューマトロジストと呼んでください」と言われました。すっかり感動して彼のファンになりました。このような専門医は最も頼りになります。
尼崎市医師会の新年会は国会議員や市長さんなど多くの来賓が参加してジャズ演奏が流れる実に盛大な宴会でした。その後上京し、昨夜に引き続き、「心筋梗塞と糖尿病に接点の勉強会」に参加しました。
慶応大学放射線医学教授の栗林幸夫先生による冠動脈CTに関する講演を拝聴しました。プラークと言う動脈硬化像がCTで簡単に見れる時代となりました。綺麗な冠動脈画像を沢山見せていただきました。何か所もステントが入っているボロボロの冠動脈を見ていると何とも言えない気持ちがしてきました。ステント治療は究極の延命治療です。
次に順天堂大学の河盛隆造教授による「今、境界型糖尿病をどう考えるか」の講演を拝聴しました。境界型や軽症糖尿病の段階からの対応が大切である、食後高血糖への対応が重要であるという内容でした。もう10回ぐらい聞いたでしょうか?糖の流れやすい臓のβ細胞のことを考え続けている偉大な先生です。また最近発売されたDPP4阻害剤の合理性についても多くの情報を頂きました。糖尿病学は新しい時代に入りました。
そして奇しくも昨夜に引き続き、最先端治療現場と予防現場が密接に情報交換できることを嬉しく思いました。また「下流から上流の医学へ」という潮流が改めて確認できました。医療の流れとして当然です。下流の専門医と上流の予防スタッフが大いに語りあいましょう。以下は、医療者向けのサマリーです。
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●脳梗塞、心筋梗塞で入院する患者さんで糖尿病が無い人はわずか10%である。
●日本人の方が欧米人よりインスリン抵抗性が強い。(従来は逆だと思われていた)
●箱根駅伝のランナーを被検者にして高脂肪食を与えた実験をした。箱根駅伝はサイエンスの塊である。
●食後高血糖にもっと本気で取り組まないとダメ。食後血糖を抑えることが本質。
●deadlly quarutettVSbad companions(河盛)⇒チンピラが揃って悪さをする。
●2型糖尿病では癌が多い。(1型は多くない。)⇒肥満、と関係する。糖尿病医が癌の
研究をする時代。
●肝臓が食後に糖を取り込まないことが食後高血糖の本質
だからαGIで糖の吸収を抑えて肝臓に急に糖が入らないようにすることが肝要である。
●グルカゴンルネサンス;DPP4阻害剤の登場は、糖尿病はインスリンとグルカゴンの相互作用の乱れに起因している。
●αGIは内因性のGLP1分泌を促す。GLP1は食欲を抑えて体重を減らす。
●GLP1には膵の再生作用の可能性がある。
またGLP1は膵の再生に必須=河盛先生の現在の興味の中心。
●糖尿病とはインスリンとグルカゴン、両ホルモンの病気である。=Bihormone disease
●糖尿病とは、インスリンとグルカゴンの比率が乱れる病気。
●αGI+DPP4阻害薬による治療法は理にかなっている。これにチアゾリジンやビグアナイドが加わってもよい。
●iPS細胞治療は?型糖尿病だけでなく?型糖尿病も対象にしている。?型糖尿病では線維芽細胞をiPS細胞に転換してβ細胞に転換する研究が行われている。
●オートファジー=細胞質成分を分解する機構のひとつ。
β細胞にはオートファジー機構があり、細胞機能を良くしている。=今後のトピックス。
●?型糖尿病=オートファジー不全とも言える
●チアゾリジンVSメトホルモンでは総死亡リスクが低いという最新データのご紹介
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