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久々に聞く、上部消化管粘膜下腫瘍の講義
2010年06月07日(月)
兵庫医大の渡二郎先生の講演を聞きました。
粘膜下腫瘍の診断についてのお話でした。
粘膜下腫瘍という病気もあります。
患者さんに説明する時、大変時間がかかるのですが・・・
近年、この分野で大きな進歩がありました。
私の知り合いのエライ教授や後輩のエライ先生が
GISTという世界的発見をされました。
総括的な講義を拝聴しました。
どことなく懐かしい気分になりました。
これでも消化器病専門医の端くれですから。
以下、医療者向けのサマリーです。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
粘膜下腫瘍の形態を取る、食道・胃の病変が増加している。
非上皮性GSTが代表的だが、組織でしか診断できない
GISTとは、CD34陽性/c-kit陽性で定義される。
胃がほとんどで食道と大腸にはほとんどない
【GISTについて】
・腫瘍径 5cm以上
・デレがある
・ダブリングタイムが1年未満
などは悪性所見
治療
外科的に局所切除する。
肝転移には、グリベックを使用。
ACOSOG Z0001S試験
高リスク群に用いられる。
その他
異所性胃腺を忘れてはならない。
乳がんの胃転移=スキルス胃がん様を呈することがある。
剖検で初めて診断されることもある。
組織型はSig。
10年前の乳がんと同じ組織で、エストロゲンレセプター陽性であった。
【カルチノイド腫瘍】
TypeⅠ A型胃炎に合併=EMR
TypeⅡ ZES=EMR
TypeⅢ 胃部分切除
2cM以内と小さいのに、中心陥没凹を要する病変は
転移性胃がんを疑う。
1)MALTリンパ腫=HPの除菌が効く。
ステージⅡ以上は、CHOPが効く。
2)DLBL
のトピックスとして
H2ブロッカーにて改善するものがある。
PPIではない。シメチジン等に反応する。
1)粘膜下腫瘍の性格がどこかにある
2)Ⅱc様の陥凹部
3)多発と多彩性。
4)壁の進展性が比較的良い
・十二指腸異所性胃粘膜
デレがある
・十二指腸ろ胞性リンパ腫
BCL-2陽性
経過観察することもある。
アミロイドーシスとの鑑別が必要。
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この記事へのコメント
粘膜下は上皮内と同義ですか。
専門医向けの内容が一般ピープルに分からないのは当然ですが、真っ先に考えたのは、悪性だけれどガンではなく、しかもガンlikeでも上皮内なら、この症例の方たちにはがん保険の給付が出ないんだなあ、ということでした。現在は、上皮内でも給付金出る保険ありますが、その分保険料が高いですよね。先進医療あってもお金が大きく関わってきます。
骨髄バンクを国に働きかけて実現なさった方が、署名を集める時「命を下さい」とは言えたけど、「お金を下さい」とは言えない、とおっしゃったのが印象的でした。
Posted by 梨木 at 2010年06月07日 09:47 | 返信
梨木様、長尾です。
粘膜下は、上皮内とは全然別です。
「上皮」の下が、「粘膜下」です。
粘膜下腫瘍は、良性と悪性に分かれます。
悪性ならもちろん、がん保険の対象になります。
このブログには、時々、「医療者向けサマリー」は入ります。
うちのスタッフ達への教育用ですので、この部分は、無視してください。
もちろん、一般の方が、ザーと目を通されて、開業医はこんなこと勉強しとんか、
と感じて頂いても嬉しいです。
Posted by 長尾 at 2010年06月13日 08:30 | 返信
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