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肝疾患診療連携のための指定講習会
NonB、NonC肝硬変からの肝臓がんが増えている
2010年06月12日(土)
肝炎診療が、4月から変わりました。
C型肝炎のインファーフェロン治療やB型肝炎の核酸アナログ治療の
医療費自己負担が、月1万円になりました。いいことです。
医療費助成の申請書を書くには、兵庫県では今日の講習会に出なければなりません。
3つの講演を、最前列の西口修平教授の隣で聞きました。
兵庫医大の齊藤正紀先生の、ガイドラインの話。
神戸大学の福本巧先生の外科治療の話。
そして、久留米大学の佐田通夫先生の特別講演。
これぞれ、いい講演でした。
以下、医療者向けサマリーです。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
●齋藤先生の講演
1)肝炎治療ガイドラインは年々変わるが、保険診療と連動していない。
2)法律が学問に追いついていない。(だったら追いつくようにしてください)
●福本先生の講演
1)従来、諦めていた進行した肝臓がんでも、神戸大学では
手術して良好な成績を上げているので、紹介してほしい。(宣伝)
2)RFAと粒子線の組み合わせもとても良い。
世界の粒子線施設の半分は日本にある。
しかし1回の治療に250万円かかる。
●佐田先生の講演
彼はいくつかの大切な事実を指摘された。
さすが、肝臓学会の大御所である。
1)C型肝炎からの肝がんの比率が減少。
B型が微増し、NBNCが増加している。
NBNCでは、アルコール性は多くない。
NASHもそう多くない。
B型ウイルスの関与も、賛否両論あり、
結局、よく分かっていない。
2)C型肝炎は全身病である。
・口腔粘膜の扁平苔癬
・口腔がん
・悪性リンパ腫
・関節リウマチ
・甲状腺疾患
・糖尿病
3)IL28B領域(IFNγ)領域の遺伝子多型(SNPs)にて、
90%の確率で、SVR成功率の予測ができるようになった。
もちろん、これだけではダメ。 ほかの要因もある。
また、10%であってもやってみるという考えもある。
4)アミノフィール(テルモ)という食品
リーバクトなどのBCAAは、アルブミン3.5以上では
保険での投与ができないので、これを投与する。
味覚障害も改善する。
5)インターフェロン治療拒否例の検討では、
女性が副作用を理由に拒否する例が多い。
6)専門医と非専門医でのインターフェロン導入率には大きな差がある。
従って、両者の病診連携が必須である。
たしかにそうかもしれないが、私は、両者の患者さんの
バックグランドが違うことを指摘したい。
診療所の患者さんは仕事で忙しく病院に行けないひと。
佐田先生に手紙を書きたい。
1990年にC型肝炎の検査ができるようになった。
この20年のC型肝炎研究にはすさまじいものがあると、あたらめて思った。
しかし。そもそも、今日は保険診療のガイドラインと「連携」の講習会のはず。
肝腎の「連携」の話がなかったのが、残念。
悪い意味で行政主催らしい研修会だった。
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