- << 梅雨病
- HOME
- 本当に違反?ああ、リーチです >>
このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com
訪問リハビリは所詮絵餅
介護保険制度は矛盾だらけ
2010年07月15日(木)
要介護5と要介護3の老老、認認(一人は軽度)の軽い方の患者さんから
私の携帯に電話がありました。「訪問リハビリをしてほしい」との希望でした。
しかしケアマネさんからは「間違っても訪問看護を入れないで」と
釘をさされている身です。現行制度下では、訪問リハビリは所詮絵餅です。
末期がんや神経難病を除く、大半の非がんの在宅患者さんにおいては、
要介護認定者であれば、訪問看護は介護保険下で行わないと罰せられます。
訪問リハビリも同じです。
しかし、ケアマネさんの大半は、営利企業のヒモつきです。(何度もごめんなさい)
訪問看護が必要だと分かっていても、会社がそれを許しません。
現場を知らない御用学者がなんと言おうと、これが現実です。
まして訪問リハビリは、訪問看護が入らないと入れません。
これも変な規則ですが、規則は規則。
違反するとあとで厳しく罰せられます。
厚生労働省顧問(前事務次官=トップ)の辻哲夫さんに3年前、直接質問しました。
「なぜ、外来リハビリを制限するのですか?訪問リハビリは介護保険なのですか?」
「慢性期リハビリは、すべて介護保険で行えるようにしましたから心配ありませんよ」
残念ながら、これは嘘です。
営利企業所属のケアマネが企業の利益優先から脱却できません。
だから、訪問リハビリは、必要な方に適応できません。
外来リハは、消炎鎮痛処置なら1000円ぐらい、
PTが行っても2000円以下と安いものです。
訪問リハは、診療所から行けば、約5000円。
訪問看護ステーションから行けば、約8000円と、外来より高い。
出張マッサージの値段とよく似ていますが。
しかし、実際には、ケアプランに組み込まれない限り、
ケアマネさんが「うん」と言わない限り、訪問リハは入れません。
一応、言うだけ言っていますが、言うほどにケアマネさんに嫌われます・・・
だから訪問リハビリは所詮絵餅です。
こんな思いをしたくない医者が多いのも理解できます。
私自身も、ほとほと嫌になります。
こんなわけのわからん規則を、軽い認知症の方にどうやって説明すればいいのか?
役人の方にかわりに説明して欲しい。
そうすれば分かるでしょう。
おかしいものは、おかしい!
制度を憎んで人を憎まず。
介護保険が出来た、2000年以降、
・医療がやりにくい!
・在宅がやりにくい!
まあ、「在宅なんてこんな程度、安かろう悪かろうでもいいだろう」という
考えの自民党政権でしたが、民主党に政権交代しても何も変わらない。
普天間や消費税など優先課題が沢山あるので、諦めるしかないですね。
- << 梅雨病
- HOME
- 本当に違反?ああ、リーチです >>
このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com
この記事へのコメント
長尾先生。
在宅医から訪問リハの必要性を聞くことができて、ある意味嬉しいのですが。
なぜならわたしたちはいつも医師へ訪問リハの必要性を説明して「お願い」する立場なことが殆どですから・・・
そして多くは「絵餅」かも知れませんが、わたしはそうは思いません。
少ない成功体験からリハビリテーションの素晴らしさも実感しています。
どうしても点数の足らない事情を話すと、ヘルパーさんの訪問時間にリハをしてくださり、
オムツ交換をして帰ってくださるセラピストさんもいます。
ゴール設定して効果的に訪問していただくこともあります。
限られた限度額内で「やりくり」するのも、ケアマネの技量です。
(家計のやりくりはさっぱりダメですが。)
今必要なものから優先順位を決めて導入する。
状態が変われば、また変更していくことがケアマネジメントだと思います。
要介護5だからこそ、難病だからこそ、ターミナルだからこそ、リハビリテーションは必要なのです。
ケアマネジャーもその必要性は感じていると思います。
Posted by カミムラクミコ at 2010年07月15日 06:06 | 返信
カミムラクミコさま、長尾です。
カミムラさまのようなケアマネさんばっかりだと何も問題はないのですが、
医師もイロイロ、ケアマネもイロイロですね。
難しい問題ですので、もうちょっと考えます。
またお知恵を貸してください。
Posted by 長尾 at 2010年07月22日 02:18 | 返信
コメントする
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL: