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療養病床と在宅医の連携強化を!
第18回日本慢性期医療学会(大阪)で講演
2010年08月25日(水)
今日は、日本慢性期医療学会で「在宅医療と地域連携」について講演しました。
準備会、講演、シンポジウムを通じて、私なりに多くの収穫がありました。
それは、「療養病床と在宅医の連携強化」です。
在宅療養支援診療所は、全国に2万件近くも登録されてうるのに、
実際に看取りを行っているのは、その1割以下と言われています。
24時間365日対応が、敬遠されているの主な理由でしょう。
在宅、在宅と、国がいくら笛吹けど踊らず。
それもそのはず、有名在宅医のように誰もが出来るわけがない。
最近、思い上がりも甚だしいと感じる。私は粛々と喜ばれることをやるだけ。
在宅仲間で盛り上がっていてもそれはごく一部。
在宅は、まだ国民や病院医療者に認知されたとはとても言えない。
熱い在宅医療を行う一方、醒めた目で全国の在宅医を眺めています。
夜中に起こされないや、夜間の往診はほとんどない、は強がりに近い。
実際、ある時はかなりあります。
地域性や、患者さん特性にもよるとは思いますが・・・
長崎方式や岸和田方式が有名です。
在宅医同志が代理し合う方法です。
しかしなかなか全国に広がりません。
「在宅療養支援病院」という国策が、この4月からできました。
何故か、200床以下の病院が対象になっています。
病院から往診するのではなく、在宅医の後方支援をする病院です。
気軽に入院できる、気軽にあずかってくれる、それでいて必要な医療はしっかり
提供してくれる病院が地域にあったらどんなに便利か。
夢のような話みたいですが。
それは決して夢ではないことを、」この学会は教えてくれました。
私は、「療養病床は全然足りない。もっと増やすべきだ」とも講演しました。
厚労省の医系技官は、あとで「参考になりました」と言ってくれました。
地域医療連携こそが医療再生の基軸です。これが私の持論。
在宅療養支援診療所と、慢性医療学会加盟の療養病床の連携
こそが、今後ますます重要になってきます。
慢性期医療学会の会員カバー率は、約25%。
在宅診療所のそれは、まだ、たった2~3%。
どちらも自律性を保ちながら、健やかに育ち、仲良く助け合って欲しい。
どうやら、今まで急性期病院ばかりに目が行き過ぎていました。
素敵な恋人がこんなに近くにいたのに、気がつかなかった・・・
療養病床も元気な病院とそうでない病院に2分されてきました。
開業医は、専門クリニックと往診も行うプライマリケアクリニックに2分されるだろう。
療養病床も、在宅支援を行うものと行わないものに2分さされてきました。
志の高い両者がしっかり手を結べば、鬼に金棒か。
療養病床で、人工呼吸器の管理や抗がん剤治療、緩和医療が可能だと
恥ずかしながら、知りませんでした。
大昔に見た、「姥捨て山」のイメージしかありませんでした。
会場は満員で、全国から集まった医師とコメデイカルの熱気に包まれていました。
「終末期」や「死」を考えるセッションも充実しており、ビックリしました。
日本ホスピス・在宅ケア研究会ととっても似た、温かい雰囲気でした。
私が今日知ったばかりの基礎知識を、恥ずかしながら、まとめてみました。
【療養病床豆知識】
1973年 老人医療無料化政策
1993年 療養病床創設
現在、日本には、160万床あり、
そのうち、療養病床は34万床。
療養病床の平均在院日数は、180日で
一般病床の10倍である。
退院後の行き先の中で、自宅は26%。
平成20年度には、
療養病床を有する病院は、4067施設。
うち、100床未満の病院は、2983施設。
一般病床1床当たりの、療養病床は、0.36.
私はそれをもっと増やすべきだと思う。
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この記事へのコメント
お世話になっております。
当院も今年から在宅療養支援病院となりましたが、その要件には病院が往診をすることが義務づけられております。また、往診担当医は病院の当直業務に従事することができなくなっており、24時間在宅対応ができるようにする必要もあります。
Posted by みどり病院 清水 at 2010年08月26日 12:53 | 返信
清水先生、長尾です。
情報提供、ありがとうございます。
そうでしたか。詳しく知りませんでした。
そうなると
○本当に往診する病院と
○実際は往診せず、受け入れに専念する病院に
分かれるのでしょうか?
後者だと開業医と競合し、開業医が負けます。
しかしそんな病院があったらいいですね。
清水先生の病院は、もうそのような雰囲気なんでしょうか?
こんな病院だらけになったら、在宅クリニックは要らなくなります。
国民性(=病院信仰が高い)を考えたら、そちらのほうがよいかも。
なんだか、目からウロコ。
これから、「在宅専門病院」ができたりして。
Posted by 長尾 at 2010年08月26日 03:45 | 返信
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