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「セララ」は4番手の薬

高血圧治療はどこまでも減塩対策

2010年08月28日(土)

2番目の女や、第3の男と、言われることがあります。
「セララ」という降圧剤は、「4番手のお薬」だそうです。
医者にはなんとなく理解されても、患者さんに理解してもらえるのか・・・

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高血圧の治療薬には目覚ましい進歩があります。
ARBの台頭、そして合剤の時代。
ついて行くのに必死です。

一昨日は、国際医療大学三田病院の佐藤敦久教授による
抗アルドステロン剤に関するマニアックな講義を拝聴しました。
要するにセララはいい薬だが、4番手の薬だそうです。

以下、医療者向けのサマリーです。

高血圧の治療は、減塩指導につきる。
食塩が無ければ、高血圧は無い。

ノルバスク10mgは、血圧を13下げる。

ニューヨークのBloomberg市長さんは「全国減塩運動」を展開している。
NYのすべての食品の食塩を20%削減させるという政策。
素晴らしい!日本でもできないものか?

アメリカの食塩摂取量は、7.8gと少ないが
日本は11.8gと多い。

2009年の高血圧学会(滋賀)では、減塩弁当(食塩2.1g)が
3日間、昼食に配られた。

アルドステロンとは副腎から出るホルモン。
1953年(57年前)に、Simpson DrとTait DRにより発見された。
1954年に化学構造が解明。
1957年にサール者がスピロノラクトンというお薬を発売。
1963年には、日本でも販売された。

現在世界の90ケ国以上で使われている。

4番目の薬として使うと、とても有効。
すなわち、カルシウム拮抗剤、ARB,利尿剤の3剤で駄目な
症例に、セララを加えると良く効く。
特に、利尿剤が入っていることが絶対条件。

治療抵抗性高血圧とは?

生活習慣の指導と3系統をくわえても駄目な高血圧のこと。

アルドステロンは、食塩の存在下で、心筋炎や繊維化を起こす。
マクロファージを刺激して、血管炎を起こす。
これは、JCIに掲載された。

何故、食塩が無いと、アルドヅテロンが悪さをしないのかは不明。

セララは2007年から日本において高血圧の適応を取った。
利尿作用以外の作用で血圧を下げる。
ただし、たんぱく尿を伴う糖尿病性腎症ではKが
上がり易いから禁忌となった。

セララは微量アルブミン尿を改善する。

投与前の血中アルドステロン濃度(PRA)とは無関係。
アルドステロンをブロックして夜間血圧も下げる。

アルダクトンと違って、
カリウム上昇や女性化乳房などの特異的な副作用はない。

現在、高血圧症の中に相当数の原発性アルドヅテロン症が
混じっていることが話題になっている。
8~10%が、それだと言われている。

しかし確定診断には、副腎静脈選択的サンプリングが必要。
確定すれば、腹腔鏡下副腎摘出術が行われる。
すなわち、手術か内科的治療かに分かれる。

佐藤先生は、数が多いので内科治療を優先すべきという立場。
要するに、4番手として、セララを使うと良い。

さらに、最近セララは抗メタボ薬であることが判明してきた。
インスリン抵抗性や脂質代謝も改善する。
まさに多面的作用。

CKDには、ARBに加えて必ずセララを。
AF,脳梗塞、CKDにはセララ。

DMの高血圧にも、セララを入れる。

セララは、CKDの前期まで使用可。
一方、アルダクトンは、すべてのステージで使える。

Cr2~3の人は、アルダクトンを少量加えるだけで
かなりの腎保護作用がある。


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この記事へのコメント

セララは既に処方していますが,ある程度の降圧効果があります.
アルドステロンは心臓にも負担をかけるし,腎臓も機能低下を
招くのでセララを内服してもらう意義は大きいと思います
それを患者さんに分かりやすく説明できるかが内科医師の技量かも

Posted by 稲本 望 at 2010年08月29日 09:01 | 返信

高血圧を向上する手立ては、暮らしの習慣を変えることが絶対であると考えております。

例を挙げると、最初に変化させるとしたら食事でしょう。脂っこい料理を摂取しすぎずに野菜をたくさん食べて、偏らないことを考えた食事を肝に銘じましょう。

そして、運動を採用することも大切です。息切れするほどのスポーツはやらないことと、医師の助言にあったスポーツを行ってください。推奨は軽いランニングです。

意味があるのは今度やるのではなく、本日から始めることです。早速行動しましょう。

もっと大切な情報はこのサイトに書かれています。

Posted by 高血圧 改善 at 2016年08月24日 10:20 | 返信

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