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パーキンソン病の診断と早期治療
2011年02月26日(土)
今日は県立尼崎病院の、市川桂二先生に診断と早期治療を教えて頂いた。
新しいお薬が増えたものの、基本はあまり変わっていないと感じた。
パーキンソン病の診断は意外に難しい。
なによりも、まず診断が重要。
保険が効かないが心筋シンチも診断に有用。
【パーキンソン病(PD)の初期症状】
初発症状は、片側性、一肢性の足の引きずりから始まることもある
整形外科を受診することも多い。
「歩隔」の異常。目印があると上手く歩ける
脳のMRIも正常なので、うつ病と誤診されることも
非運動症状としては、味覚障害、REM睡眠行動異常から始まることも。
【鑑別診断】
1 薬剤性パーキンソニズム
2 脳血管性パーキンソニズム
3 変性疾患
・進行性核上性麻痺
・大脳皮質基底核変性症
・線条体黒質変性症
4 正常圧水頭症
5 本態性振戦
【パーキンソン病(PD)のスペクトラム】
良性振戦型PDからレビー小体型認知症まで
スペクトラムがある。
【PDの確定診断】
頭部MRIと脳血流SPECTは
・PDに特異的な検査としてMIBG心筋シンチグラム(保険適応なし)。
・LDOPAへの反応性で治療的診断も。
【脳血管性パーキンソニズム】
PVL、ラクナ梗塞がある。
【特発性正常圧水頭症】
250人/ 10万人という有病率。
PDのの2.5倍もいる。
1 歩行障害 歩隔の拡大(いわゆるガニマタ歩行、ここがPDと違う)
2 認知症(自発性の低下)
3 尿失禁
治療は、シャント手術、髄液排除
【進行性核上性麻痺】
どうもない病、パーキンソニズム、生傷が絶えない
眼症状、下方視できない、人形の目試験
MRIで蜂鳥サイン
【皮質基底核変性症】
これも特定疾患。
肢節運動失行(チョッキが着れない)
観念運動執行(歯磨きができない)
着衣執行
頭頂葉の血流低下
【線条体黒質変性症】
PDとの鑑別が難しい
MRI―T2画像で旦早急で早期診断可能
【PDの薬物療法】
1 抗コリン薬
2 ドーパミン補充療法
3 ドーパミン放出促進薬
4 ドーパミン受容体刺激薬
5 ドーパミン分解抑制薬
6 ドーパミン合成促進薬(エクセグラン、トレリーフ)
7 ドーパミンノルアドレナリン補充(ドプス)
【薬の副作用】
7年で50%の人に現れる。不随意運動(デスキネジア)
1980年台 ハネムーン期間
2000年 ドーパミンアゴニストに神経保護作用
2002年、早期PDの診療ガイドライン
非高齢者で認知症なし⇒ドーパミンアゴニスト
高齢者な医師認知症⇒LDOPA
ドーパミンアゴニストの問題点は、
力が弱い、高価
LDOPAに神経毒性あるか?を調べる治験がなされた。
(2004年 ELLDOPA study)
⇒神経毒性はない。むしろ神経保護的。
2008年 PDRG-UK trial
長期試験でもLDOPAは安全との結論を得た。
持続的ドーパミン受容体刺激を考慮した治療を!
【パーキンソン病の患者指導】
・早期治療は運動機能を保つ
・アゴニストは、効果が緩く高価
・多剤併用
・LDOPAで診断的治療
・運動療法の重要性
【主な、ドーパミンアゴニスト】
・パーロデル
・ペルマックス
・カバサール
・ビ・シフロール
・レキップ
LDOPAは1時間半
【ドーパミンアゴニストの副作用】
麦角系アゴニストは、第一選択にしない
若年性は、アーテンから開始する。
少量のLDOPA~開始
重症度、認知機能、社会的活動度を考慮した治療戦略
・45から65歳⇒アゴニスト中心
・65歳以上⇒LDOPA中心
Q もし無医村に3つだけお薬を持っていくとしたら?
A 1 LDOPA(ネオドパストン)
2 ビシフロール
3 シンメトレルかエフピー
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この記事へのコメント
特定疾病の訪問看護
ケアマネ時代に、担当していた方がしばしば転倒され、
受診した病院で「パーキンソンにしては?」と専門病院に回して下さり、
進行性核上性麻痺と診断された事がありました。
(老々介護だったので最終的には入院)
その時有難いなと思ったのは、
診断後の在宅中の訪問看護は介護保険でなく医療保険で入って下さり、
しかも世田谷区の場合自己負担がないと聞きました(現在は不明)
もしそうなら、保険制度上の知識を教えていただければ、
患者家族にとって大きな利益と思います。
(それなら訪問看護利用しようかな、と)
特定疾病のリストは持っていますが、
その全てが医療保険上同じ扱いかわかりませんので、
いつか機会がありましたらその条件など教えていただければ嬉しいです。
病名から思い出しました。
Posted by 梨木 at 2011年02月27日 06:57 | 返信
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