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イレッサ訴訟に学べ

2011年02月27日(日)

イレッサ裁判における製薬企業の責任が、報道されている。
当時、患者さんたちは、「イレッサを出せ、早く認可しろ!」と騒いでいた。
しかし、今となっては、「なんでよく調べないで早く認可したんだ」と騒いでいる。
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その時点では分からないことは、世の中にはゴマンとある。
イレッサもそれほど重篤な副作用があるとは思わなかった。
後出しジャンケンなら何でも言える。

当時、肺がん患者さんはイレッサを「いくら出してもいいから欲しい」と
まるで魔法の薬のように求めていた。
そして、本当に魔法の薬のように、劇的に効いた患者さんもいた。

くすりは、リスク。
どんな薬にも副作用があり、行政や製薬企業は精査する責務がある。
しかし、よく効く薬には、重篤な副作用があると覚悟すべきだ。

ハイリスク、ハイリターン。
新薬には常にこの言葉の通りのリスクがつき物。
情報公開が前提だが、あとの半分は自己責任だろう。

情報公開は本当に充分だったのか?
注意喚起はできていたのか?
これらの検証は必要だ。

しかし、それに問題が無かったなら、まさに、「医療の不確実性」そのもの。
どうすることもできない。
インフルエンザワクチンの副作用で亡くなる方も同じ。

いつも、国や製薬企業や医者が訴えられる。
それらが「トラウマ」になって、責任回避的な施策となる。

中学1年~高校1年生を対象とした子宮頚がんワクチンを
なぜ学校で行わないのか?
学校でやってトラブルがあったら、学校が訴えられるからだ。

責任は、医療機関に押し付けられている。
すべて、「トラウマ」のなせる結果。

そろそろ、そんな袋小路を出る時代。
答えは、「無過失保障制度」。

どうすることもできない問題に、みんなが少しずつ負担して
責任を取り、行政や特定の企業也医療機関の責任を問わない。
そうしないと、医療崩壊は深まるばかりで悪循環になる。

今回のイレッサ訴訟から、医者も患者も沢山学ばなければならない。
来週土曜日は、京都大学で「第1回医療と法を考える会」が開催される。
医者と法律家が、まさにこのような問題について公に議論される。

画期的な会議だが、時代の必然。
もうそんな時代に、医療はきている。

ゴルフの世界と同じ。
タラレバ、は無い。
結果がすべて。

しかし、悪い結果は、だれが責任を負うのか・・・
是非、患者さんにも考えて欲しい。

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