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盲腸ひとつ、気胸ひとつ診れない有名病院

2011年04月22日(金)

盲腸ひとつ、気胸ひとつも診れない有名病院の実態をここで嘆くことが増えている。
「臓器別縦割り医療」がもたらす院内タライ回しを、恥ずかしく思わない若い医師たち。
もっとも君たちが悪いんじゃない。そんな医者を育ててきた、「医学教育」が悪いのだ。
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夕方6時。
この時間から、どんどん重症患者がやってくる。
昨夜は、血便。今夜は、自然気胸、といったぐあい。

CTを撮ると完全に肺が縮んでいて、患者は青息吐息だ。
さて、この患者さんを受け入れる病院を探すのが一苦労。
日本を代表する病院いくつかに、電話をかけてみる。

ある病院は、「気胸は、外科へ」と言った。
次は、「呼吸器内科へ」と言われ、
院内たらい回しが始まる。

「ところで君は何科?」と聞くと、その若い当直医は、
「精神科」とか「泌尿器科」とか「消化器内科」とか答える。
専門外は、診れないのか、診たくないのか。

どっちやねん。

こんな医者を当直させる病院管理者もおかしい。
盲腸ひとつも受け入れることのできない、都会の中の医療過疎地。
大学病院も全然駄目。「医者が一人もいない」という。

夜間は、無医村だと思った方がいい。
骨折も全然ダメ。
いつも最後に行き着くのは、頑張っているある民間病院だ。

申し訳ないぐらいに、最後はその病院に行きつく。
地域に貢献している病院とは、そのような地道な努力を重ねている。
そんな病院こそ表彰したい。

公立病院や大学病院は、立派な体はしているが、夜間は中身ゼロに近い。
臨床に熱意の無い研修医が、堂々と偉そうに上から目線で当直をしている。

彼らは、いつもこう言う。
「専門外ですから、診れません」
「もし診て訴訟になれば、上から怒られますからね」

一晩に何回その台詞を吐いて、搬送を断るのだろうか。
「そんなら、当直なんかするな!」と言いたい。

3次救急の病院でもこれだから、後は推して知るべし。
医療崩壊という言葉が身に沁みる。

そもそも、専門外でも、「気胸ぐらい診ようか」という気持ちはないのか?
「呼吸器外科がいないので診れない」では、私は納得できない。

細分化されすぎ。
診ようとする意思がなさすぎ。
細分化しすぎたら、何人医者がいても足りない。


若い先生に聞きたい。
何のために医者になったの?

病院管理者に言いたい。
そんな医者に当直させないで!





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