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南相馬の医療の現状
2011年05月08日(日)
福島県相馬市に開設された東大上研究室で活動されている日向先生のレポート。
立谷秀清・相馬市長さんも精神科医療の必要性、精神疾患の訪問看護を説いていた。
南相馬に足りないとことを、相馬が受け止めて行かねばならない。
以下、日向先生のレポートから引用させていただく。
上教授と松村先生に同行して医療の現状を調査に相馬・南相馬の病院をいくつか訪問した。
南相馬市立病院は常勤4人のみで外来のほか、往診・避難所訪問・当直をこなす。非常勤医師は来ていないようだ。南相馬市はだいぶ人が戻ってきて店も普通
に開いてきている。しかし、この病院は緊急時避難準備地域に指定されているため入院は出来ない。
鹿島厚生病院は最近になって入院患者を受け入れる事が可能になったが、お伺いした日も早速南相馬市立病院の救急外来受診患者さんが搬送されていた。入院ベッドは80床ですでに13床が入っており、このペースだと少なくとも6月末までには満床になると院長先生は述べておられた。
大町病院は原発30km以内なので本来は入院不可なのだが、県からの指示で暫定的に5人まで黙認されている。「6人以上の受け入れは駄目。しかし患者の生命を優先してほしい」と矛盾したことを言われていて、病院も入院適応の患者の対応に困っておられたようだ。病院としては6人以上の受け入れは可能だが、県の地域医療課がゴーサインを出さないらしい。また入院しても3日以内に退院させろなどと無理難題を病院に押し付けている。南相馬市は私の勤務している福島市よりも放射線量も4分の1しかないというのになんで緊急時避難準備区域なのだろうか。実態にあっていない。
3つの病院とも政府・県の方針に振り回されていて、病院だけでなくこの地区の地域住民が安心して医療を受けられない状況が続いている。この問題は6日のNHKニュースでも取り上げられていた。
午後に相馬市役所を訪問し立谷市長から医療の現状をお伺いする。相馬市は福島県や医師会のほか各団体の医療スタッフが大勢来ていた時期があり、各々の医療スタッフの団体配置に困っていた時期があったとのこと。被災地に支援物資に偏りがあるのと同様、人的支援にも偏りがあるようだ。
精神科に関して相双地区は、双葉地区の双葉病院・双葉厚生病院 相馬地区の雲雀ヶ丘病院・小高赤坂病院の4つが全て閉鎖中のため、精神疾患の患者さんは50km先の福島市まで行かないと入院できない。実際、5月3日に相馬市から入院患者さんを引き受けた。家族が連れてきたため入院できたが、連れて来られない方たちもいるだろう。現在、南相馬市で再開している2つの精神科クリニックに南相馬の精神科医療の現状がどうなっているか情報交換が必要であると感じた。5月9日に再度南相馬市に訪問する予定なので、さまざまな情報を集めて自分たちにできる支援を考えていきたい。
一陽会病院 精神科
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