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支援し続けることの大切さ
2011年06月12日(日)
昨日は、「支援し続けることの大切さ」について書いた。
以下、6月11日の産経新聞からの転載です。
記録映画「無常素描」が公開
支援し続けることの大切さ 長尾和宏
今日で震災からちょうど3ケ月です。私の回りでは、何事も無かったかのように日々が流れて行きます。永田町は、政治ゲームに明け暮れています。被災地は無政府状態に呆れかえっています。南三陸町は、いまだ「水」が無い。川で洗濯しています。また福島県相馬市の学校では、プリント用紙が不足しています。悲劇的な避難、一時帰宅が報道されています。被災地はいまだ厳しい現実に向き合っています。一方、阪神大震災すらまだ終わっていません。いまでも家族を失った悲しみに沈むひと、二重ローンに苦しんでいる人を何人か知っています。多分、永遠に終わらないのです。そんな中、今回の東北をどう受け止めとめたらいいのか。まずは二次被害を出さないことです。仮設住宅では、孤独死、自殺を防ぐことです。今後、東北の地に必要なのは医者より弁護士さん。また外部からの「見守り隊」により支援することでしょう。あるいは、高齢者だけを一ケ所に集めるのではなく、若者、子供も混じった仮設住宅にすることでしょう。できれば、ボランテイアへのスペースも確保されていれば有り難い。仮設ではなく、最初から簡易な恒久住宅、恒久アパートでもいいと思います。
ご協力頂いた相馬市への震災孤児条例への寄付もお陰さまで1億円を超え目標の2億円が視野に入りました。既に支給されています。今後、これを良い前例にして顔の見えるピンポイント義援金をあちこちで続ける必要があります。さらに物質的支援のみならず、精神的支援も大切です。特に子供達メンタルケアは最重要。被災した子供たちは立派な大人になるでしょう。まさに日本の宝。だから彼らへの支援は最優先です。兵庫からも熱いメッセージを贈り続けましょう。
私が8日間、被災地を訪れた時、背中には常にカメラが回っていました。介護を描いた映画「たたいま それぞれの居場所」の監督である大宮浩一氏が私に密着・同行しました。その記録映画が完成し、先日試写会で観てきました。タイトルは、「無常素描(むじょうそびょう)」。「無常」という言葉は、玄侑宋久さんと私の会話に中で出て来た言葉です。船を失った漁師さんや、畑が塩害にやられた農家の方の言葉にも、静かに耳を傾けて下さい。私はほんの少ししか登場しませんが、みんな私に向かって話しています。解説もテロップも音楽も何も無い、ただそのままの姿を収めただけの地味な映画です。6月17日~東京オーデトリウム渋谷、7月2日~大阪十三シアターセブン、8月~名古屋シネマテークにて公開されます。また、この映画の無料上映会と報告会を、6月18日(土)1時~3時半アクタ西宮、7月9日(土)1時~4時尼崎労働福祉会館で開催します。詳細は「長尾クリニック」のHPをご参照ください。この映画や報告会は、東北に行けない方に実情をご報告し、今後の長期的支援の在り方を考えることが目的です。今月は、大阪で河内音頭を踊りながら大阪人の想いを届けるイベントにも参加しエールを贈ります。
配られない義援金に、無力感を覚える人も多いでしょう。放射能や舞いあがる粉塵にボランテイア活動を躊躇するひとも多いでしょう。しかし、勇気を出して行動を起こし支援を続けてください。東北人のおかげで美味しいお魚や野菜を食べてきました。東北という豊かな土地、人々の復活を、兵庫の力で少しでも応援し続けましょう。
キーワード:玄侑宋久
福島県三春町の臨済宗福聚寺の住職。僧侶、小説家、東日本大震災復興構想会議委員。2001年「中陰の花」で第125回芥川賞を受賞し、「禅的生活」など著書多数。
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