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土砂ダムへの国家戦略
2011年09月22日(木)
情けない、と嘆き、ただ祈ることしかできないのか。
こんな時こそ、国家戦略、政治決断が必要ではないのか。
土砂ダムの被害も津波の被害も、同じだと思う。
西村真悟氏が提唱する「作戦」は、一考に値する。
日ごろから、サンダーバード部隊(田中康夫氏の言葉)を
結成しておき、いざという時に、作戦、戦略を練る。
そして国は政治決断をする。
指令があれば、戦略を実行する。
それくらいの戦略性を持って、自然災害に対応すべきでは。
人は自然には絶対に勝てない。
しかし勝てないから戦略も無くていい、訳がない。
国家は、自然災害に対しても大きな戦略を持つべきだ。
本来は、土砂ダムは、国家戦略室マター。
以下、平河総合戦略研究所のメルマガ中にある
西村氏の文章を、転載させていただく。
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◎西村真悟 政治主導とは何か
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九月十三日、乃木希典夫妻が崩御された明治天皇を追って殉死したことを述べて以来、本通信を書かなかった。
その理由は、できた時間をほぼ十月に発行される「別冊正論」の原稿執筆に使っていたからである。
その原稿で、東日本大震災の惨状の中に顕れた日本民族の姿について書いた。
我が民族には、「教理や教典や思考形態の枠」はない。
しかし、東日本の被災地の方々も、戦災から疎開する人々も、関東大震災の避難民も、全て人々に感銘を与える自制心と忍耐と他者へのいたわりの心を保っていた。
作家の高見順は、戦争中の上野駅で黙々と疎開してゆく人々を見て「こういう人たちと共に生き共に死にたい」と日記に書いた。そして、日本文学研究者のドナルド・キーンさんは、この度の東日本の被災地の人々を見て、高見さんの気持ちが良く分かると述べて、日本に帰化して永住することを決めた。
また、関東大震災の数日前に横浜に着いて東京で大震災を経験したドイツ人のヘルマン・ホイベルス師は、地震の夜、宿舎の前を荷物を背負って黙々と避難してゆく人々の長い列を見て、「日本人が好きになった」と述べ、以後四十年以上日本に住んだ。
また、十六世紀に来日して、初めて日本人を欧米に紹介したポルトガル人のフランシスコ・ザビエルは、「日本人は常に名誉を重んじる」、「日本人は皆貧乏であるが、武士たると町人たるとを問わず、貧乏を恥だと思っている日本人は一人もいない」と書き残している。
何故、日本民族は他の社会のように、「教理や教典や思考形態の枠」が無いのに、困難の中で同じ姿を顕してくるのか。
それは、日本民族の心の根底に、人類が「教理や教典や思考形態の枠」を生み出す以前の「民族生命の原始無限流動」とも言うべきものが今も息づいているからだと言う以外にない。
これが「神ながら」と言うべきものかと思う。
このようなことを考えながら、ここ数日原稿を書いていた。
いつものことながら、自分の掲げた表題とは違うことから書き始めてしまった。そこで、表題に戻りたい。
九月二日、三日の台風による豪雨で、奈良県南の山間部と紀伊半島の内陸部の数カ所で土砂崩れが起こり、多くの死者行方不明者をだした。そして山間部の川が土砂で塞き止められて、数個のせき止め湖が生まれるに至っていた。
そのせき止め湖が決壊すれば、下流に土石流が押し寄せ民家が流されることになる。従って、せき止め湖の水位と土砂の高さが連日報道されていた。そして、そのような時、本日唯今(二十一日)近畿東海の南の海上を被災地に豪雨を降らせながら北東に通過している台風が遙か南に発生していたのだ。
そこで、この事態に関して政治主導を考える。つまり、せき止め湖が、?豪雨で満杯になってから決壊するに任せるか、新たな台風接近以前に、?水位が低く水の容量が少ないうちに土砂を爆破して決壊させるか、この二つの内いずれを選択するか、これを決定するのが「政治主導」なのだ。
仮に、?になれば下流の民家百戸が流される。?では流されるのは民家五戸ですむ。このいずれを選ぶか。答えは明らかであろう。しかし、官僚組織に?の決定はできない。何故なら、官僚は、爆破によって流される五戸の民家の補償を明言できる立場にないからである。
そこで、政治が、爆破によって流される五戸の民家の補償を明言して?を決定することになる。これが政治の役割だ。
私は、せき止め湖発生から、水位が下がってきたという報道を注視してきて、何度、水位が低い内に自衛隊の工兵部隊にせき止め湖の土砂を爆破させて決壊させるべきだと思ったことか。
しかし、そのタイミングを漫然と逃して、新たな台風によって現在被災地に豪雨が降り続き、せき止め湖の水位は、土砂よりも高くなっていると報道されている。こうなれば、無事を祈るばかりだ。
九月十七日に、市域が大きな被害を受けている紀州の田辺市に行ったが、東京からバッジを付けた連中が次から次と「視察」に来るらしいが、文字通り見るだけ。
「政治主導」を掲げる民主党内閣は、その「政治主導」の分野において全く反応なしだ。
あのアメリカの大統領のオバマでさえ、我が国と同時期の九月二日にアメリカ東海岸を襲ったハリケーンの通過地域の国民に対して、自らテレビにでて注意を呼びかけていた。
それに対して、今ニューヨークに行っているこちらの顔だけ大きなドジョウは、一貫して反応していない。
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