昨夜もほとんど眠る時間が無かった。
早朝から、お看取りや重症患者さんの往診。
しかし講演では、自分なりのベストを尽くした。

与えられた環境で、自分のベストを尽くす。
ゴルフと同じ。
たとえ、ヘナチョコショットでも、一生懸命打つ。

講演前に、ある女性が待ち伏せしていた。
１５年前に、自宅で看取った芦屋の患者さんの親戚。
お菓子を持って、講演のお祝いに来てくれてた。

その独居の老人は、本当にかわいい方だった。
マンションの他の住人の邪魔にならぬよう、
朝５時の静かな時間帯に、自力でゴミ出しされていた。

毎日、訪問して点滴をしていた。
イカリスーパーで、お寿司などを買って持って行っていた。
最後のほうは、アンモニアが上がって、意識朦朧だったのだ。

当時は、まだ介護保険など無かった。
私は、在宅医と訪問看護師とヘルパーを兼ねていた。
当時は、開業間もない時期で、暇だったのだ。

とにかく懐かしかった。
芦屋病院の下に位置するラポルテは、開業したかった場所。
しかし家賃が高いので諦めた場所でもある。

昔、フラれた彼女と再会した感じ。

それを覚えてくた身内がわざわざ来てくれた。
その他、昔の患者さんが何人か来られた。
講演終了後もたくさんの質問を頂戴した。

さらに終了後は、講演を聞いて頂いたロータリークラブの
会長さんらと会食させて頂いた。
忙しいけれど、充実した２日間だった。

在宅、認知症、尊厳死、だらけの２日間。
その余韻を、その狭間で旅立たれた患者さんに捧げている。

２日間ともいい秋晴れだった。