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それを告げると、家族は絶句された。
「そんな！」

涙を流してくれた。
悲しいけれど、嬉しかった。

その特養に申し込んで、１０年も待ったそうだ。
それがやっと念願が叶ったのだ。

「１０年待つなんて。
何年も浪人して、東大に入るようなもんだね」
本気でそう思った。

特養に入るのが、いいのか、悪いのか？と相談された。
そう言われても困る。

しかし、まだ、迷っておられた。
自分で決断するしかない、と答えた。

涙の別れ。