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地域で行う、子供世代への看取り講座

2013年02月16日(土)

医療タイムス2月号の連載は、「地域で行う、子供世代への看取り講座」で書いた。
看取りという文化を、再び地域に取り戻す時が来た。
http://www.drnagao.com/pdf/media/iryotimes/iryotimes130212.pdf
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医療タイムス2月号  地域で行う、子供世代への看取り講座

 

 地域包括ケアの時代になり、地域における看取りが議論される機会が増えています。住み慣れた自宅のみならず、老人ホームやグループホーム、さらにはサービス付き高齢者住宅も「自宅」扱いであり、広義の在宅での看取りが大きな課題です。従来からの特養、老健における看取りも、大切ですが主に嘱託医しか関わりません。しかし特養、老健以外の施設での看取りは、地域の一般開業医の仕事になってきています。

 
 私は18年間在宅医療に従事していますが、幸か不幸か本当の自宅の在宅しか経験がありませんでした。しかし最近、グループホームやサービス付き高齢者向け住宅の主治医を依頼されることが増えてきました。何らかの理由があって、家族が前医から当院に変更希望されたケースばかりです。ご縁あっって新しく関わることになったグループホームなどの施設では、私はできるだけ早い時期に、「看取り講座」を開催しています。対象は、施設スタッフと利用者の家族さんで、通常、食堂などで土曜日の午後などにやります。ある施設では看取り講座を行った2日後に、本当に看取りがあり、あまりのタイミングに良さに驚きました。その施設はオープンして10年以上経過していましたが、看取りはそれが第一号でした。事前に看取り出前講座をやっていて良かった!と思いました。看取りの周辺の法律や葬儀屋さんの話まで織りこんでお話すると、みなさん、食い入るように聞いてくれます。こうした出前講座をやっているうちに、看取りを初体験された施設がすでに4つになりました。こうした地域に密着した啓発活動は、地元の開業医に相応しい仕事だと感じています。

 
 必ず医師法20条の話を詳しくします。法律の知識は大切です。在宅看取りは、医師法20条というおおらかな法律で保障されていることを具体的事例を示しながら説明すると、施設職員やご家族さんはとても安心されます。「ご家族」が事前に主治医から看取りの話を充分に聞いているかいないかで、看取りの現場では天と地くらいの差が出てきます。在宅医療では家族と触れ合うという機会が多くありますが、同じ自宅扱いといっても施設入所者の家族とは、触れ合う機会がまったく無い場合も多い。そんななか、看取り講座は家族を引っ張り出してくるきっかけにもなっています。

 
 平穏死の本を2冊書きましたが、最近、平穏死を阻害している要因のひとつが家族であると思い至りました。自己決定権の確立している欧米では家族の決定権はありませんが、日本においては家族の権限は強大です。長男の間違った「親孝行」が、延命治療につながることをよく経験します。そこで

 「平穏死という親孝行」(アース・スターエンターテイメント)という本が2月25日に世に出ることになりました。家族のなかでも、特に子供世代に親の看取りを説いたハウツー本です。「平穏死・10の条件」、「胃ろうという選択、しない選択」と合わせて、これで「平穏死3部作」となります。

 
 今後は地域や施設での看取り講座では、新しく出る「平穏死という親孝行」を教材に用いようと思います。機会があればご一読頂き、ご意見を頂戴できれば幸いです。

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