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朝から晩まで胃瘻と抗がん剤の話

2013年02月26日(火)

本が売れれたせいで、毎日、かなり遠いところから患者さんが相談に来られる。
持ちきれないほどの資料を抱えた家族や本人までもがわざわざ来られる。
実は、胃瘻か抗がん剤の相談なのだ。
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朝から晩まで、胃瘻の話を何回するのだろう?

今日は、6回した。

1回10分としても、毎日、60分。
1週間で、6時間。
1ケ月で30時間、
1年間で360時間。

みんな胃ろうが嫌だから、IVHにしてくれ、か
胃ろうが嫌だから鼻からにしてくれの相談。

なんでこんなことになったのか。

市民や看護師ならまだ分かる。
医者がそれを言うから、困ったものだ。
もっとも、胃ろうがまだ伝来していない病院もある。

この世は広い。
エライ学者さんは優等生だけを見てものを言っている。
しかしこの世は、優等生だけではなく、普通の子、劣等生から成り立っている。

無用な混乱に、無用なエネルギーを消費している。
毎日が、胃ろうを巡る混乱。

その混乱を少しでも収めるため、平易な本を書いた。
「胃ろうという選択、しない選択」
http://www.amazon.co.jp/%E8%83%83%E3%82%8D%E3%81%86%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E9%81%B8%E6%8A%9E%E3%80%81%E3%81%97%E3%81%AA%E3%81%84%E9%81%B8%E6%8A%9E-%E3%80%8C%E5%B9%B3%E7%A9%8F%E6%AD%BB%E3%80%8D%E3%81%8B%E3%82%89%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%8B%E8%83%83%E3%82%8D%E3%81%86%E3%81%AE%E5%8A%9F%E3%81%A8%E7%BD%AA-%E9%95%B7%E5%B0%BE-%E5%92%8C%E5%AE%8F/dp/4860086163/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1353247893&sr=1-2

一番、この本を読んで欲しい人に、読んでもらえないもどかしさ。

自分の患者さんでさえ、読んで欲しい人のうち、1割も読んでいない。
読まないで勝手な判断、勝手な要求をしてくる。

本を買ってもらうのは大変なことだ。
また、買っただけで読んでいないひとも多い。

この本は、「胃ろう・・」で始まっているが、専門書ではない。
誰にでもわかるように平易な言葉で書いた。

胃ろうという選択は、毎年100万人近いひとが選択に迫られている。
そのうち、20万人のひとが、胃ろうを選択しているのが現実だ。

我が国で、唯一の、胃ろうに関する一般書。
もっと多くの人に読んで欲しい。

そして「ハッピーな胃ろう」を、増やして欲しい。
また、堂々と「自然に任せて何もしないという道」も選択してほしい。

一方、抗がん剤の相談も多い。
今日だけでも、3件。

1件、1件、時間がかかる。
しかし、来られたらやるしかない。

3ケ月以上、朝日新聞・電子版に「抗がん剤の止めどき」を書いてきた。
http://apital.asahi.com/article/nagao/index.html?page=1

2月いっぱいで、このテーマも終わりとしたい。

あと2日、このテーマで書く。
このシリーズは好評なので、書籍化の話が来ている。

本を書くのは、世の中のためだと思っている。
そのために生まれて来たと思い書いている。







 

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この記事へのコメント

>みんな胃ろうが嫌だから、IVHにしてくれ、か
胃ろうが嫌だから鼻からにしてくれの相談。

胃瘻はいつからスケープゴートになったのでしょう。
医療者の皆様、それぞれの利点・不利点を(苦痛を含め)よく説明して下さると
私達も賢くなれると思いますし、ドクターショッピングをしないで済み
医療政策にも負担をかけないように思います。

Posted by 匿名 at 2013年02月28日 07:54 | 返信

現在、育児奮闘中の元療養型病院管理栄養士です。
ケアマネの資格も取得し、半年間ですが訪問看護STでケアマネとして仕事をしました。
二人目の子供が生後1か月の頃2年前の震災を経験したため、ケアマネは続けられませんでしたが、
今は、在宅訪問管理栄養士を目指して勉強中です。

私の母の実家は神戸市東灘区で、私も小学校2年生まで大阪にいましたので、
「胃ろうという選択、しない選択」の関西弁はすんなり私の頭に入ってきました。
病院で栄養ケアマネジメントが開始し、経管栄養から経口摂取へ移行できそうな人をピックアップし
主治医に提案しても、主治医はほとんど耳を貸してくれませんでした。

私は、さまざまな嚥下トレーニングの本を読み、トレーニングのゼリーを作り、実践し
患者さんの「口から食べたい」を叶えてあげたいと奮闘しましたが、
結局、医師からトレーニングの許可が下りることはありませんでした。
看護師も介護スタッフもみんな協力的で、担当者会議でも議題に何度も上がっている患者さんでもです。

訪問看護STでは、看護師さんたちの大変な苦労を知りました。嚥下障害だけでなく、糖尿病や腎臓病の栄養管理ができていないのに、往診の医師は何も手を打たず、私は本当に歯がゆかったです。

この本を読んで、私は改めて決意しました。施設や病院ではなく、地域の管理栄養士になろうと。
管理栄養士を目指す人、管理栄養士として施設や病院に勤務する人にもぜひ読んでもらいたいです。

Posted by 広瀬川 at 2013年03月11日 11:20 | 返信

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