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福島の現実
2013年07月27日(土)
いろんな意見があるようだが、彼は公正な立場で冷静に淡々と事実を書いておられる。
今日、大阪でお医者さんに平穏死の話をしてから、福島に行っておそらく坪倉先生と会う。
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内部被曝通信 福島・浜通りから~なぜ、現実のデータに目を向けられない人がいるのか
この原稿は朝日新聞の医療サイト「アピタル」より転載です。
http://apital.asahi.com/article/fukushima/index.html
南相馬市立総合病院
非常勤内科医 坪倉 正治
2013年7月24日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp
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相馬市で行われている内部被曝検診結果( http://www.city.soma.fukushima.jp/housyasen/kenkou_taisaku/WBC/index.html )が公表されました。
相馬市では2012年6月から全市民を対象に内部被曝検査が続いています。今回は2013年3月までに検査を終えた11,898人の結果を公表しています。
公立相馬総合病院と相馬中央病院の2つの医療機関で検査が行われ、相馬市の人口(約3万人強)のうち4割弱の方が検査を受けられたことになります。
他の地域の検査結果に比べて、何か突飛な結果が導かれている状況ではありません。上記の図1-1, 1-2にあるように、成人9,352人中8,958人(約95%)が、小児2,546人中2,543人(約99%)が、検査時に検出限界以下でした。検出限界は2分間の立位の測定で250Bq/body(/kgではありません)です。
既に多くの方が、検出限界以下というレベルにセシウムによる内部被曝が抑えられていますし、それが維持されています。
図4-1にあるように、米や野菜は地元で作られたものを摂取されている方が多くいらっしゃる状況です。その状況下で、上記のような結果なのは、現在の日常生活での内部被曝が低い状況が、しっかり維持出来ていることを示しています。
お米の結果は、福島県の放射性物質検査情報( https://fukumegu.org/ok/kome/ )にも示されているように、1000万件以上の玄米の全袋検査の結果、99%以上が検出限界25 Bq/kg以下です。このことからも十分に推測される結果であり、それらを食べてもセシウムの内部被曝が爆発的に増える状況では全くないのです。
「福島県産」とか、xxxで作られたかという「場所」「産地」が注目される傾向がありますが、より重要なのは「種類」です。土壌中のカリウムや、土壌の種類、水のpHなど色々な要素が複雑に絡みあってはいるものの、明らかにセシウム汚染しやすい食品は偏っています。それらを避けることで大部分の内部被曝を避けることが出来ます。
ざっくりと言うと、日本人の主食であるお米は、セシウム汚染しやすい食品には該当しないと思います。
ベラルーシやウクライナの場合も論文で報告されたことですが、キノコ類やベリー類が全体の内部被曝の90%以上を占めていたということです。繰り返しになりますが、xxxという場所で作られた食べ物の汚染度が高いという話よりも、xxxという種類の食べ物は気をつけて検査をしながら進まなければならないという話です。
値が高くなりやすい食べ物は、出荷制限が既にかかっている食べ物とほぼイコールです。そうした食べ物を「未検査」で継続的に食べる。そのことがリスクであると申し上げているわけです。野菜や魚に関しても同様です。水に関しては第67回( http://apital.asahi.com/article/fukushima/2013061700009.html )を参考にしてください。
多くの方々が食品検査に携わり、結果が常に公表されています。自戒を込めて、「放射線に関してxxx産だから」というだけの言い方は、いつまでたっても現実と若干ずれたレッテルを張っているような印象があります。
種類によりますが、もちろん継続的な検査は絶対に必要ですし、気をつけるべきことも多く存在します。ただ、均等に汚染されているわけでは決して無い。このような結果は地元では既知の事実として受け入れられてきていると感じますが、東京などで検査の大枠の結果を知らず、心ない言葉が飛び交い続けているのが残念です。
今回は相馬市の結果をテーマにしたので、最後に相馬市長のメールマガジン( http://archive.mag2.com/0000096393/index.html )をご紹介します。
その中でこんな下りがあります。
「しかし一番の問題は、女生徒たちが将来の出産の際に異常分娩になるので自分は結婚出来ないと思い込んでいるケースが多いという現実だった。これは紛れもないPTSDである。科学的な根拠もなく無責任に不安を煽るだけの方々の心無い発言が、福島県の子どもたちの心の傷を深めているのだ」
もちろん今までの検査結果で全てが分かっているわけではありません。ただ大枠で気をつけるべきこと、ポイントは分かってきています。
東京などでは未だに福島は住めないとか、非科学的な心ない話を陰謀論などと混ぜ合わせ、政治や主張の道具にして多くの偏見を再生産しているとしか思えない方もいます。
上記のような話は明らかにおかしいです。このブログでも逐一報告していますが、もう少し、多くの(特に福島県外の)人たちに現実のデータに目を向けてほしいと思います。
今日はこの辺で。
写真:今年も相馬市の仮設住宅検診が始まりました。暑いですね。市の職員さんや、医師会の先生や星槎グループのスタッフ、豊栄会のリハビリスタッフなどが集まりみんなでやっています。
写真は、相馬中央病院の加藤先生、石井先生、豊栄会のリハビリスタッフたち。仮設住宅の集会場でちょっと休憩中です。運動不足で筋力が落ちている人に個別指導をずっとやってくれています。
↓
http://apital.asahi.com/article/fukushima/2013071600012.html
坪倉正治の「内部被曝通信 福島・浜通りから」のバックナンバーがそろっています。
http://apital.asahi.com/article/fukushima/index.html
「アピタル」には、医療を考えるさまざまな題材が詰まっています。
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