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なぜ男性医療なのか
2013年10月07日(月)
昨日からは男性医療について書くことにした。
記事を転載させていただく。
産経新聞・男性医療シリーズ1 なぜ男性医療なのか
日本の男性は7年寿命が短い
昨日、電車に飛び乗ったらそこは女性専用車両で白い目で見られました。また先日、サンダーバード号に乗った時、ピンク色の女性専用シートが全部空席だったのでそこに座っていたら車掌さんに叱られました。乗り物内で女性を保護する必要があるのです。社会においても女性はいまだに女医、女性ドライバー、女性議員などと呼ばれます。たしかに女性は弱いもの。しかし寿命においては女性は男性より遥かに上です。平均寿命は男性が79歳で、女性が86歳。その差は7年あります。いや、7年も、です。消費税が8%に上がるとのことで世の中大騒ぎですが、男性は生まれつき、寿命が女性より9%も短い。男性の短命度は、消費税どころではありません。そういえば老人ホームやグループホームに入所している方を見渡せば9割が女性です。男性は残念ながら、そこに入る前に死んでしまうのです。在宅医療をしていても男性はすぐに死にます。しかし女性はなかなか簡単には死にません。女性は男性より生物学的に頑丈にできているのです。100歳長寿者の9割は女性であることを考えると、女性が羨ましくもなります。
核家族という言葉はもはや聞かなくなりました。その代わりに「おひとりさま」という言葉をよく耳にします。そんなの関係無い、と思う方もいるでしょう。しかしどんなに仲のいい御夫婦でも一緒に死ぬことはあり得ません。従ってどんな人でも、「おひとりさま」になる可能性があります。たいていは男性が先に死にます。結婚時に奥さんが3つ年下であったとして、男性の平均寿命が7年短いのですから、計算上、既婚女性は10年間の未亡人期間があることになります。ちなみに未亡人とは「いまだ亡くならない人」と書きます。夫にどんなに苦労をかけられても、死後、妻は10年間ゆっくりできます。私たちは、その10年間の女性の外来や在宅や施設への往診を依頼されます。最近、なぜか高齢女性とのご縁が多いなと感じていたら、ちゃんとこんな理由があったのです。
男性の方が7年早く死ぬといいましたが、これは日本人の場合。スウエーデンやニュージーランドではその差は4年しかありません。日本の男性がなんだか可哀そうになってきました。しかしこれは日本人に限ったことではなく、動物の世界を見渡すともっと女性優位であることは明らかです。作家の村上龍さんは「すべての男は消耗品である」と書きましたが、真実だと思います。そうすると、なぜ男性専用車両や男性専用シートが無いのかな?という気がします。いたわるべきは9%も短命な男性ではないのか。最近、外来や在宅をしていてそう思います。自分自身をどこか哀れに感じているのかもしれません。
医療機関においても、どこか女性優位です。女性外来はありますが、男性外来はあまり見かけません。更年期障害についても男性の更年期障害の専門外来なんて聞きません。9%も早く死ぬ可哀そうな男性のための医学はないのか?そんな声が聞こえてきそうです。というわけで今日から8回、これからの男性医療について考えてみます。素敵な旦那さんに元気で長生きしてもらうために、男性のみならず女性の方も是非読んでください。
キーワード 100歳長寿者
9月13日現在、全国の100歳以上の高齢者は昨年より3021人増えて5万4397人、50年前の355倍となった。男性は6791人、女性は4万7606人で87・5%を占めた。
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この記事へのコメント
女性は守らないといけないと言う日本男児の習性でしょうかね
JRの事故も女性車両のおかげで 男性の犠牲者が多かったそうです
現代の弱くなった男性外来 期待しています
Posted by 薬剤師 井澤康夫 at 2013年10月07日 09:08 | 返信
女性専用車両を否定する方も聞きますが、男性専用車両はもっとイヤだ!という声は、もっと多く聞きます。理由を聞くと、身の危険を感じるそうです!?(笑)
Posted by よしみ at 2013年10月08日 12:38 | 返信
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