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抗インフル薬の予防投与

2014年02月05日(水)

インフルエンザが猛威をふるっている。
A型が多いが、B型も1~2割いる。
2月1日の産経新聞兵庫版に、抗インフル薬の予防投与について書いた。
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ウイルスシリーズ第6回  抗インフル薬の予防投与

             インフル大流行にしっかり備える

 

 近畿全域でインフルエンザが本格的な流行期に入りました。小中高校の学級閉鎖も増えてきました。流行のピークは2月と予想されていますが、ちょうど受験シーズンと重なりそうです。一生懸命に受験勉強をしてきても、肝心な受験当日に高熱が出たらせっかく努力が水の泡です。そんな受験生のためにも、今日は抗インフルエンザ薬の予防投与についてご紹介します。飲み薬のタミフルと吸い薬のリレンザとイナビルには同居人にインフル感染者がいる場合などに予防投与が認められています。ただし予防投与の場合は保険適応ではなくて、自費診療となります。インフルにかかった人は、タミフルを1日2カプセルを5日間(計10カプセル)飲むのですが、予防投与では1日1カプセルを10日間飲みます。半分にして長く飲む。リレンザもこれと同様に、1日1吸入を10日間続けます。イナビルも、通常は1回に4吸入して終わりのところが、2吸入を2日間だけ行います。受験生をはじめ「大切な日だけは絶対にインフルに罹りたくない」という人は、抗インフル薬の予防投薬をかかりつけ医に相談するという手があることを知っておいてください。もはやワクチンの予防接種をしてもおそらく間にあいません。もちろんその前に、できるだけ人混みを避け、手洗いとうがいとを励行することは言うまでもありません。

 
 先日、肝硬変で加療中の患者さんがインフルにかかり呼吸困難になりました。しかし緊急搬送して入院させようにも10以上の病院に断られました。インフル感染者を入院させる場合は個室隔離になりますが、この時期に緊急で個室が確保できる病院は多くはありません。また入院中の患者さんのノロやインフルの集団感染が大きく報道されていているので病院も院内感染の防止に必死です。病院とは、病(やまい)の院(いん)です。病人さんはみな抵抗力(免疫力)が低下していますから、ウイルスや細菌にかかり易いのは当然です。しかも狭い場所に集合するので集団感染がおきるのは当然であるとも思います。しかし重症のインフル患者さんや合併症を有するインフル患者さんを受け入れらないといけないのが病院の使命でもあります。すなわち、この時期に入院することはそうしたリスクが普段より高いことになります。実はこれは病院に限らずクリニックでも同じです。狭い待合室でインフルやノロをもらったなんてことにならぬよう気をつけてください。動けなくなれば救急車より往診を依頼したほうが得なことがあります。いずれにせよ普段からできるだけ免疫能を高めておく必要があります。充分な睡眠、休養も何より大切です。


 中国でH7N9タイプの鳥インフルエンザで19人が死亡したとの報道に、数年前の新型インフルエンザ騒動が記憶に蘇ります。人類の歴史を振り帰ればウイルスとの闘いでもありますが、人間はウイルスに勝てません。ならばできるだけウイルスを寄せ付けない生活をし、いざ新しい感染症が入ってきてもパニックにならず冷静に対応したいものです。そうした願いを込めてこのウイルスシリーズを書いています。最後に受験生のノロ対策としては、目が霞む成分を含まない正露丸を常備薬にしておくことをお勧めいたします。

 

キーワード H7N9鳥インフルエンザ

 

中国疾病管理当局によると今月だけで96人が感染、19人が死亡した。H7N9型ウイルスの人への感染は昨年2月に上海で初めて報告され3月に急増、5月以降いったん収まったものの、年末からまた続発している。昨年からの感染者は中国全土で計246人に上った。世界保健機関(WHO)によれば、これまでに計56人が死亡した。H7N9型ウイルスは通常のインフルエンザウイルスに比べて致死率

が高いが、1997年に香港で人への感染が確認されたH5N1型に比べると伝染力は弱いようだ。生きた鳥と直接接触がなかったとみられる感染例も報告されているが、WHOは「簡単に人から人へうつることはない」との見解を示している。

 

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