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電気を護る人たち

2014年03月13日(木)

原発再稼働について、意見が大きく分かれている。
日本国にとって、大きな大きな分かれ道に立たされている気がする。
ここは時間をかけて充分に議論したほうがいい。

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私は電気を護っている人々の健康も気になる。
関西電力の産業医をしているので、余計にそうなのだろう。


3月13日(木) 電気を護る人たち

 

私は関西電力とその関連会社の産業医をしています。

通算かれこれ20年近く関西電力と関わっています。

毎月1回の安全衛生会議や健康相談や健康診断判定。

 

業務に従事するのは短時間ですが、結構忙しいです。

外来診療と在宅医療の合間を縫って活動しています。

労働衛生コンサルタント、という資格も取りました。

 

関西電力は3.11以降ガラっと雰囲気が変わった。

自ら先頭にたっての節電は、現在も続いています。

天井の蛍光灯は間引かれ、全体に薄暗い雰囲気です。

 

夏の冷房は28~29度ぐらいの高めに設定されて、

産業医の仕事をしていてもジワーッと汗ばみます。

窓を開けて仕事をされている部署もあります。

 

冬の暖房は18~19度くらいでかなり寒めです。

ドテラを着たり膝かけをして仕事をしている人も。

女性の膀胱炎が心配です。

 

既に報道されているとうり、ボーナスは出ていないと。

当然、収入が激減し会社を辞めたひともいるそうです。

こうした状況が3年続くのは、かなりのストレスです。

 

何かと会社が責められ、家族も肩身が狭いと嘆く人も。

3.11を境に、会社のイメージが大きく変わったと。

産業医をしていると、社員たちのストレスを感じます。

 

実は、関西電力は事故を起こしていません。

無事故で、ちゃんと電気を供給しています。

私たちはその電気の恩恵に預かっています。

 

電気を護る、と言ってもピンと来ないでしょう。

あくまで産業医として見聞きする範囲の印象ですが、

想像以上に緻密でたいへんな仕事だと毎回思います。

 

産業医の業務とは労働者の健康を守ることです。

産業保健とはとってもとっても大きな領域です。

現場の人たちはストレスに耐えて必死で仕事しています。

 

それは福島第一原発周囲の作業員も同じでしょう。

東電の下請けの作業員の健康管理が気になります。

当院の患者さんも、福島原発に駆り出されました。

 

東電や原発はなにも遠い世界ではなく、身近なことです。

私は医者ですから東電も関電も下請けも関係ありません。

働く人々の健康を護ることが、産業医の任務。

 

震災から1ケ月後に、原発作業員の健康管理の必要性を

強く案じてネットメデイアに発信したことを思い出した。

http://medg.jp/mt/2011/04/vol127.html

 

津波と被曝の犠牲者は膨大な数です。

連日の報道を見る度に、涙が出ます。

悲嘆はどれだけ続くのでしょうか?

 

一方、収束作業に頑張っている下請け会社の労働者や

実際に電気を供給している労働者にもエールを送りたい。

こんなことを書いたら、批難を浴びるのかもしれません。

 

しかし自分自身がこうしてパソコンを叩けるのも、彼らの

お陰で電気が途切れなく供給されているからと感謝します。

空気のように当たり前に思える電気は、当たり前ではない。

 

2011年11月に神戸で開催した震災復興イベントで、

歌手の上田和寛さんが歌っているシーンが出てきました。

司会でゴチャゴチャ言っているのは、私です。

 

メジャーデビュー前の上田さんの歌声を被災地の方に

贈りたくて、リンクを貼りました。

そして今も現場で働いている人たちにも贈りたいです。

 

時間のある方は、聞いてください。

 http://youtu.be/YuKuk_zcago

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この記事へのコメント

この度の原発事故の放射能汚染の危険にもかかわらず、東京電機の社員や、全国から集められた、原発関連の労働者の方達の英雄的な働きのおかげで、原発事故の放射能汚染が、何とか、最低限の被害に、収まっています。
まだまだ予断を許さない状況ですが。
東電の吉田所長も、亡くなられました。
原発事故対策のお疲れもあるでしょう。
現場の放射能の被爆も多少影響したのではと、考えます。
皆さん、貰っているお給料では割が合わない危険な職場です。
それでも東電の方が、関電に比べて、火力発電を東京湾の埋め立て地に作っていたので、まだましらしいです。
関電は原発の事故は無いのですが、99%原発に頼っていたので、化石燃料の経費が嵩む一方です。
関電の原発銀座と言われる、福井も心配です。ダイオウイカや、竜宮の使いが、海上の浮き上がって、死んでいたりするそうですが、大地震の前触れではないかと言う説もあります。
以前長尾先生が福井の小料理屋さんで食事をしたら、そこのお嬢さんが「父が(自分は福井で暮らしてここでの暮らしを守るが)私には福井を離れて、京都の大学に入学して、就職も結婚も京都より遠くでするようにと言っています」と話した事を思い出します。
この話を、思い出しますと、涙が出ます。
少しでも、原発を少なくしたいと太陽光発電機をつけましたが、肝心の家が、安物のかる~いプレハブなんで、風が吹く度に飛ばされそうです(笑)。

Posted by 大谷佳子 at 2014年03月14日 02:42 | 返信

夜中にタブレット充電中で、防災メールの「地震です!地震です!」の声で飛び起き、集合住宅で、ゆっさゆっさとした揺れを感じ、TVをつけたら、伊予灘が震源と。当地は震度3ぐらいでしたが、震源近くの方々は驚かれた事とお見舞い申し上げます。
東南海の前触れ?伊方原発大丈夫?思い浮かんだのはそれでした。
日本全国地震活動期に入ったと思われ、福島も原発問題、大きな地震が又起こればどうなるのか?という状態であろう今、全国民、しっかり時間をかけて、原発再開議論をしなくてはと思います。
暮らしに不便さを感じても、将来に、解決不可能に近いつけを残し続けることだけは避けなくては。
なるべく節電、エアコンなし(貧乏生活)の生活ですが、無駄なことをしてないか、見直して見なくてはなりませんね。

Posted by 小畑ふみこ at 2014年03月14日 01:32 | 返信

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