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介護も承諾書だらけ

2015年05月07日(木)

病院の医療は、なにをするにも承諾書なのは周知のとうり。
一方、介護の世界も承諾書だらけになってきている。
病院の承諾書は本人だが、介護の承諾書には医者が署名する。
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・入浴させてもいいという承諾書
・歩かせてもいいという承諾書
・食べてもいいという承諾書
・痰の吸引をしてもいい承諾書
・それで喉を詰まらせた時にも救急車を呼ばない承諾書
・もし急変しても、責任はすべて医者にあるという承諾書
・看取りをするという承諾書・・・

これらは、すべて医者が署名する承諾書だ。

つまりすべての責任はすべて医者が取ることになっている。

なぜ、こうなったのか?

それは介護訴訟が増えたから。

食べさせて誤嚥性肺炎や窒息した遺族は介護施設を訴えて、なんと、勝っている。
入浴中に急変しても訴えられるらしい。

仕方がないと私は思うのだが、司法は許さない。

「デイフェンス医療」は有名だ。
多剤投与もそのひとつ。

同様にまるで後を追うように、「デフェンス介護」が一般化している。
企業経営者はなにかと医者に、以上のような承諾書を書かせてくる。

かくして、過剰介護ならまだいいが、監禁介護になっている。
もっとはっきり言うならば、監禁・拘束という「虐待」がおきている。

誰のせいなのか?

現場を知らずにヘンな判決を出してきた司法の責任は重いだろう。
名古屋のJR立ち入り死亡事故で360万円の賠償命令も同じだ。

つまり、認知症をはじめとする人生の終末期に関する認識が
一般社会や司法の世界では、まだまだ届かず遅れているのだ。

従って、エンドオブライフケアや地域包括ケアの議論には、必ず、
警察、消防、そして司法の方がたにも入ってもらわないといけない。


こんな介護に誰がした!

こんな使いにくい介護保険、訪問看護に誰がした!



末端の声はたぶん永遠に届かないので、せめてブログに書いておこう。
今日は、「今後は、混合介護推進!」のニュースが入ってきた。

安倍総理のNY演説では、医療のTPP推進も誓っていたので
皆保険制度崩壊や混合診療解禁も近いのだろう。

うわべだけで決めても必ず現場と乖離した政策になるので
今後はもう少し”まじくった”議論をしたほうがいいと思う。



そして、医療介護者はTPPの動きに対して、立場を乗り越えて
一致団結して明確に、NO!という時ではないか。

患者さん(利用者さん)の命と尊厳を守ることが
我々の使命だから。

さらに、現在、地球上の生き物すべてのお陰で生きさせてもらっている
ことに感謝したい。


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この記事へのコメント

長尾先生お疲れ様です。
この所、政府も加速的に色んな事を進められてますね。
呆れてます。急がなきゃならない理由があるのでしょう。
本当やりたい放題です。
近い先、現行の保険制度も崩壊させていくんだろうと見てます。国家自ら。

Posted by ハク at 2015年05月07日 02:38 | 返信

よくわかりませんが…
この日本 よく似たものが多いです

例えば 保育園と幼稚園…
管轄がそれぞれ 厚労省と文科省

軽自動車と普通自動車
公立高校と私立高校
介護保険と医療保険

まだまだ たくさんあると思うんですが…

結局 修正するより 手取り早く 新しいものを作った方が法案が通りやすいってことなんでしょうか

ほんとに わかりにくい…です

Posted by 訪問看護師 宮ちゃん at 2015年05月08日 12:47 | 返信

"医療TPP"について調べました。
 アメリカからの日本の医療への市場開放要求 = 医療品・医療機器メーカー・民間保険会社の参入
「混合診療全面解禁」は医療での経済格差を加速し、極端に言えば、貧乏人は満足な医療を得難くなる
という事、怖い薬もたくさん輸入されてくることになるのでしょうか?ホントにアメリカ、アメリカ
って、一体どちらを向いて政治しているのでしょうか。
 又、私が読みましたコラムでは、一筋の光明が見える内容も書かれていて、ある官僚からの「個人的な意見」と断った上で、「医療費の総額は上昇するが、低所得層が受診できなくなる訳にはいかないので、補てんを税金で賄う事が求められることとなり、医療費抑制という国の方針に反することになる。」と公の場での発言があったことは重みがある、とありました。
 丸尾さんのセリフにもありましたけれど、「賢くならなアカン」て本当にそう思いました。ぼんやりしていると、政治が、恐ろしい方向への舵取りがサラッとシレッっと行われていくので、怖いです。
 長尾ブログの中でも、たまに、池上彰さん的に解説して下さる方が出現するといいな、と思いました。

Posted by もも at 2015年05月11日 07:50 | 返信

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