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緩和医療の課題
2015年06月21日(日)
緩和医療学会に参加したが、これは大病院と施設ホスピスの会だった。
私は緩和ケアは地域の中、そして生活の中にあると思っているのだが、
イザ学問となると、なかなかそうはいかない事情もあるのだろう。
私は緩和ケアは地域の中、そして生活の中にあると思っているのだが、
イザ学問となると、なかなかそうはいかない事情もあるのだろう。
一昨日は、午後から日本緩和医療学会に参加していました。
全国の緩和医療の専門家が一同に会して意見交換する場です。
なんと7000人もの参加者がいると聞かされて大変驚きました。
施設ホスピスや病院の緩和ケアの人たちの発表を聴いていました。
ポスター発表もおそらく何百という単位でたくさんありましたが、
早足で一応、全部見て回りました。
専門家のみなさんは、家に帰すことを真剣に考えておられました。
また延命処置をどうするかについても、多くの発表がありました。
もの足りないと感じたのは、専門家の視点ばかりで患者さんの視点が
ほとんどないことでした。
緩和医療学会は家に帰す側の会で、家に帰った後は在宅関係者の会と
なんだか分業制のようになっているような気がしました。
叶うならば、病院と在宅側がもっと一同に会して話合えればいいな。
もっと患者さんの気持ちを重視した医療になればいいな、と思った。
このシリーズで述べてきた抗がん剤のやめどきですが、自分が言いだしっぺに
なり、医者や看護師が意思決定支援に回るという取り組みはありませんでした。
私は、これだけ大きな学会でも誰も言っていないことをここに書いているのか
と、今さらながらですが、少し複雑な気分になりました。
さて昨日は、日本リビングウイル研究会の司会を務めていました。
緩和ケアのスペシャリストや有名な臨床宗教師が講演されました。
研究会の中で、遺族の方が「緩和ケアという言葉のイメージ」という
演題でスライドを使わずに、身内の最期の様子を淡々と語られました。
その方は、ホスピスに入られたのですがそこは何もしない所で
「何もしないことがホスピスかと思った」と語られていました。
それを聴きながら、「だから平穏死できたんだね」なんて思っていました。
ひとつ隣に「平穏死」という言葉の生みの親の石飛幸三先生が座っていました。
こうして2日間、まさに緩和医療漬けになっていました。
100人を超える人とマニアックなお話をするうちに、頭が少々混乱してきました。
まあ、カルチャーショックを受けるために、学会や研究会にわざわざ参加するので、
知っていることを聴いても意味は無く、知らないことを吸収するために来ています。
魑魅魍魎とした緩和医療の世界を少し見た週末でしたが、学んだ知見を今日からまた
臨床の現場でしっかり活かしたいと思います。
昨夜は、当院の開院20周年の宴会がありました。
多くのみなさんと、未来について語りあいました。
当院の成人式だったわけですが、気分を新たにして、診療に励みます。
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