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夕食は少なきがよし
2015年07月19日(日)
産経新聞の平成養生訓の連載は、「夕食は少なきがよし」で書いた。
ということは、朝食か昼食をしっかり食べればいいということ。
言は易し、行うは難しで、本当にお恥ずかしい限りなのですが・・・
ということは、朝食か昼食をしっかり食べればいいということ。
言は易し、行うは難しで、本当にお恥ずかしい限りなのですが・・・
産経新聞・平成養生訓第7回 夕食は少なきがよし
胃袋を空にすることの効用
みなさんは、朝食、昼食、夕食のどれに重きを置いて食べていますか?そして何時間くらい空けていますか?答えは人によってかなりばらつくでしょう。
貝原益軒は、食事は朝と昼を中心にして夕食は淡泊にするようにと説きました。第一の理由は、睡眠中は体が休んでいるから。エネルギー消費量が少なく、余ったエネルギーは内臓脂肪として蓄えられ、これが続くと動脈硬化を起こすから。第二の理由は睡眠不足になりやすいから。胃袋に食物が貯まっていると消化管ホルモンが出て脳を刺激します。第三の理由は肝臓が休めないから。肝臓は消化液の工場ですが、夜間も稼働しなければならなくなります。つまり豪華な夕食を食べると、脳や肝臓や胃に大きな負担をかけてしまうのです。
日本人はもともと1日2食でした。1日3食になったのは元禄ごろ(1700年)からだといわれています。ちょうど益軒が活躍した時期です。江戸から明治にかけては夕食より昼食が重きをなし、夕食は昼食の残りもので済ます習慣だったそうです。夕食に御馳走を食べるという習慣ができたのは比較的最近です。そういえば、高級ホテルのお得なランチメニューはたいてい主婦でいっぱいですがたいへん理にかなった行動です。一方、多忙な勤労者は昼食に費やす時間が短く、ついつい夕食を豪華にしがちです。夕食を軽くすることは現代人にはとても辛い教えかもしれませんね。個人的な話をするなら、私は超遅い夕食派。時には日付けが変わるころにチビチビ酒を飲みながら食べていますが、益軒の教えに完全に反しています。だからどんどんメタボ腹が進みました。分っているのですが、困った生活習慣を正すのは本当に大変なことだと実感しています。
益軒は食事と食事の間はいったん必ず胃袋を空にすることを説いています。しかしこれも難しいこと。私たちはお昼になればまだお腹が空いていなくても半ば機械的に昼食を摂る習慣になっています。食べ物が胃袋にとどまる時間は2~3時間で、小腸まで空っぽになるになるのは3~4時間後です。そもそも空っぽの胃腸こそが消化吸収効率が良くなります。食事は「お腹が減ったよー」と言わんばかりに「グー」と鳴る時まで待ってから食べるのが本来ですが、実行は難しい。
胃カメラで胃袋を覗くと前日の夜に食べた物がまだ残っていることが時々あります。夜食を食べていないのに残渣がある。前夜22時に食べた食事が翌朝10時に胃袋に残っているということは、12時間経っても胃がまだ空っぽになっていないということ。加齢とともに胃袋の蠕動運動も鈍ってきて12時間もかかる人がいる。ひと晩空けても胃袋を空にするのが難しいのであれば、朝と昼の間の数時間で空にすることは超難しいことに気がつきます。結局、朝か昼のどちらかをしっかり食べるのがいいのでしょう。幼いころ祖母に教わった「朝は金」という言い伝えは養生訓的には正しかったのです。夜は体を動かさないので少しくらい飢えていても構わないのです。そう考えると宴会や夕食会に出かけることが少し怖くなりますね。まずはできる範囲で、一緒に試してみませんか。
キーワード 消化管ホルモン
食事刺激により胃や小腸や大腸の壁から、ガストリンやセクレチンやセロトニンなどの消化管ホルモンが放出される。これらは消化管の蠕動運動だけでなく胆のうの収縮運動や脳の働きにまで強く影響を及ぼしている。
胃袋を空にすることの効用
みなさんは、朝食、昼食、夕食のどれに重きを置いて食べていますか?そして何時間くらい空けていますか?答えは人によってかなりばらつくでしょう。
貝原益軒は、食事は朝と昼を中心にして夕食は淡泊にするようにと説きました。第一の理由は、睡眠中は体が休んでいるから。エネルギー消費量が少なく、余ったエネルギーは内臓脂肪として蓄えられ、これが続くと動脈硬化を起こすから。第二の理由は睡眠不足になりやすいから。胃袋に食物が貯まっていると消化管ホルモンが出て脳を刺激します。第三の理由は肝臓が休めないから。肝臓は消化液の工場ですが、夜間も稼働しなければならなくなります。つまり豪華な夕食を食べると、脳や肝臓や胃に大きな負担をかけてしまうのです。
日本人はもともと1日2食でした。1日3食になったのは元禄ごろ(1700年)からだといわれています。ちょうど益軒が活躍した時期です。江戸から明治にかけては夕食より昼食が重きをなし、夕食は昼食の残りもので済ます習慣だったそうです。夕食に御馳走を食べるという習慣ができたのは比較的最近です。そういえば、高級ホテルのお得なランチメニューはたいてい主婦でいっぱいですがたいへん理にかなった行動です。一方、多忙な勤労者は昼食に費やす時間が短く、ついつい夕食を豪華にしがちです。夕食を軽くすることは現代人にはとても辛い教えかもしれませんね。個人的な話をするなら、私は超遅い夕食派。時には日付けが変わるころにチビチビ酒を飲みながら食べていますが、益軒の教えに完全に反しています。だからどんどんメタボ腹が進みました。分っているのですが、困った生活習慣を正すのは本当に大変なことだと実感しています。
益軒は食事と食事の間はいったん必ず胃袋を空にすることを説いています。しかしこれも難しいこと。私たちはお昼になればまだお腹が空いていなくても半ば機械的に昼食を摂る習慣になっています。食べ物が胃袋にとどまる時間は2~3時間で、小腸まで空っぽになるになるのは3~4時間後です。そもそも空っぽの胃腸こそが消化吸収効率が良くなります。食事は「お腹が減ったよー」と言わんばかりに「グー」と鳴る時まで待ってから食べるのが本来ですが、実行は難しい。
胃カメラで胃袋を覗くと前日の夜に食べた物がまだ残っていることが時々あります。夜食を食べていないのに残渣がある。前夜22時に食べた食事が翌朝10時に胃袋に残っているということは、12時間経っても胃がまだ空っぽになっていないということ。加齢とともに胃袋の蠕動運動も鈍ってきて12時間もかかる人がいる。ひと晩空けても胃袋を空にするのが難しいのであれば、朝と昼の間の数時間で空にすることは超難しいことに気がつきます。結局、朝か昼のどちらかをしっかり食べるのがいいのでしょう。幼いころ祖母に教わった「朝は金」という言い伝えは養生訓的には正しかったのです。夜は体を動かさないので少しくらい飢えていても構わないのです。そう考えると宴会や夕食会に出かけることが少し怖くなりますね。まずはできる範囲で、一緒に試してみませんか。
キーワード 消化管ホルモン
食事刺激により胃や小腸や大腸の壁から、ガストリンやセクレチンやセロトニンなどの消化管ホルモンが放出される。これらは消化管の蠕動運動だけでなく胆のうの収縮運動や脳の働きにまで強く影響を及ぼしている。
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この記事へのコメント
長尾先生
はじめまして!
金曜日に癌の再発を告げられた人が
病院が3連休で病院にかかれず
辛い思いをされています。
すいません、何かお言葉を掛けてあげて貰えないでしょうか?
すいません!突然に!
お願い致します!
この方です↓
http://ameblo.jp/xylitol3/entry-12051946447.html
Posted by 津熊 照美 at 2015年07月19日 03:54 | 返信
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