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みなさま、ありがとうございます。

2015年08月03日(月)

出たばかりの新刊は、書店の店先にちゃんと並んでいた。
お陰さまでアマゾンでも多くの方に買って頂き御礼を申し上げる。
昨日の産経新聞連載の新シリーズは、”がんもどき”について書いた。
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産経新聞・がんの基礎知識シリーズ1  最もありふれた国民病、がん
                   “がんもどき”はあるのか?
 
 それにしても暑い毎日ですね。クーラーをつけないで我慢している方、熱中症になるので気をつけてください。なんとなくダルい、と思ったらもう熱中症という場合もあります。

 さて、日本人は2人に1人が一生のうち一度はがんになります。そして3人に1人はがんで死んでいます。今、この記事を読んでいるみなさんも50%の確率でがんになるのです。あまり実感が無いかもしれませんが紛れもない現実です。がんは最もありふれた病気。珍しくもなんともありません。しかし、いざ自分にがんが見つかったらみなさん大騒ぎです。「どうして私が」「なにも悪いことしていないのに」「死ぬのかなあ」と右往左往します。がんセンターの一番偉い先生でさえ、「がんセンターの医者ががんになって初めて分ったこと」という本を書きますが「じゃあ、今まで患者の気持ちを分らずにやっていたの?」と突っ込みたくもなります。人間は、なんでも自分だけは例外だと思っています。自分だけはがんにならないし、死なない。それくらい楽観的なので少々辛いことがあっても生きられるのが人間なのかもしれません。今日からしばらく、「がんの基礎知識」シリーズとして、知っているようで知らないがんのお話をします。イザ、がんと言われた時に慌てないためにも是非読んで、普段から備えておいてください。

 さて、この3年ほど、「がんもどき」とか「がんは放置したほうがいい」という本が軒並み売れています。すべて慶応大学・元講師の近藤誠医師が書かれた本です。最近は「医者に殺される」「薬に殺される」などとエスカレートすると、多くのメデイアが取りあげ市民の支持を得ているようです。現実にがんの宣告を受けた人はまずがんに関する知識を得ようと書店に駆け込み、がんに関する本を買い求めます。そこに並ぶ近藤誠氏が書かれた本を開くと、「がんもどき」や「がん放置療法」という言葉が繰り返し登場します。私のクリニックでがんが見つかっても「先生、私のがんはがんもどきですか?」とか「先生、私はがんを治療せずに放置します」という人が時々おられます。もう90歳を超えているのであれば、もう何でもありなのでしょうが、もし50歳代や60歳代で、充分助かる範囲のがんであれば、助かる命も助からない。実にもったいない話になり実に罪深いのです。

 さて、「がんもどき」はあるのでしょうか?そもそもがんもどきという言葉を使う人は世界中で一人しかいませんが、仮に「がんではあるが、あまり悪さをしないがん」とするならば、結構あります。ゆっくりがん、のんびりがんは放っておいてもなかなか死にません。甲状腺がんや前立腺がんなどがその代表です。一方、近藤氏は「本物のがん」という言葉も使います。初期の段階から全身のあちこち転移しているタチの悪いがんのことだそうですが、これもあります。どちらもあるのですが、どちらかしなない、だから全てのがんは放置せよ、と言うから話がおかしくなるのです。実は両者の間がいくらでもあるのです。国民的支持を得ている近藤誠理論の真偽に興味のある方は、今週発売の拙書、「長尾先生、近藤誠理論のどこが間違っているのですか?」(ブックマン社)を是非読んでください。漫画を交えながら、後悔しないがんとの付き合い方を分り易く解説しています。
 
キーワード 近藤誠理論
「がんもどき理論」に基づいた「がん放置療法」は近藤誠理論と呼ばれている。近藤氏が書いた一般書はベストセラーになっているが、医学論文としては発表されていないので医学界では一切認知されていない。

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この記事へのコメント

この度はおめでとうございます。
私も読んで日々の訪問に生かしていきたいと思います。
先生も暑い日が続きますが御自愛ください(^o^)

Posted by さぬきんぐ at 2015年08月03日 03:16 | 返信

 何冊か買って配ります お忙しいのにいつ原稿を書かれているのか・・・

Posted by 薬剤師 井澤康夫 at 2015年08月03日 12:22 | 返信

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