このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com

認知症、施設利用は介護放棄ではない

2015年08月17日(月)

認知症の親を介護施設に入所させることは介護放棄ではない。
在宅、在宅と言っている私自身、自戒を込めて書いておこう。
実は、ショートステイの活用が、認知症在宅療養の鍵かもね。
2つの応援
クリックお願いします!
   →   人気ブログランキングへ    →   にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ
 
 
『認知症、施設利用は介護放棄ではない』
 2015.8.15
 http://www.sankei.com/west/news/150815/wst1508150002-n1.html

介護破綻を避けるためにも適切なタイミングで施設入所を
 「もう家では、介護の限界です」

 あるとき、脳梗塞で通院している70代の義母を持つ女性が外来に来られました。義母には「自分の物を盗まれる」といった妄想があり、怒ったり、暴力をふるったりし、自分の部屋に鍵をかけてしまうとのことでした。

 家族は険悪な雰囲気になってしまい、女性は「自分ががんばって介護しなければ」という思いで献身的に介護されていましたが、精神的なストレスも多く、半ばうつ状態でした。

 そこで、義母本人に物忘れの検査をしたところ、程度は軽いですが、アルツハイマー型認知症の兆候が出ていました。ケアマネジャーさんに連絡し、医療スタッフや介護スタッフが集まって今後のことを相談した結果、家での介護は限界だろうと判断し、施設の入所を申し込むことになりました。

 家族の中には、「もっと自分が頑張らなければならない」「施設に入れることは介護をあきらめることだ」「かわいそう」という思いを持つ方もありますが、決してそうではありません。

 このような気持ちは“介護破綻”につながり、介護が限界を迎えてしまう可能性があります。介護は一人で抱えこまないで、介護保険などの支援を受けて皆で支えていくことが大切です。

 限界になってから慌てて施設を探すのではなく、早めから施設入所のことも視野に入れておくことです。そういった準備をすることで、逆に介護に余裕ができ、家で穏やかに長く過ごしていただくことができます。

 入所後も家族は会いに行って一緒に話をしたり、外出や外泊をしたりして関わることができます。入所してからも家族にできることはたくさんあります。

 先述の70代の女性は、入所当初は「施設に入れられた」と嫌がる面もありましたが、認知症対応型のグループホームということもあり、しばらくすると「先生、施設はとても居心地がよく、お世話になってよかった」と笑顔で話されました。家族にも精神的な余裕ができて、うつ状態も改善、笑顔が戻って自分の好きな趣味もできるようになりました。

 施設入所というのは「塞翁が馬」です。入所することで不幸になるのではないかという不安があるかもしれませんが、入ってみるとお互いにとって幸せになるかもしれません。認知症であっても、本人や家族全員が人生の最後までその人らしい生活をおくることはできるはずです。

 (橋本市民病院 脳神経外科 医長 大饗(おわい)義仁)

2つのランキングに参加しています。両方クリックお願い致します。皆様の応援が日々ブログを書く原動力になっています。

お一人、一日一票有効です。

人気ブログランキングへ ← 応援クリックお願い致します!

(ブログランキング)

にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ ← こちらもぜひ応援クリックお願い致します!

(日本ブログ村)

※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

コメントする

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com


過去の日記一覧

ひとりも、死なせへん

安楽死特区

糖尿病と膵臓がん

病気の9割は歩くだけで治るPART2

男の孤独死

痛い在宅医

歩き方で人生が変わる

薬のやめどき

痛くない死に方

医者通いせずに90歳まで元気で生きる人の7つの習慣

認知症は歩くだけで良くなる

がんは人生を二度生きられる

親の老いを受け入れる

認知症の薬をやめると認知症がよくなる人がいるって本当ですか?

病気の9割は歩くだけで治る!

その医者のかかり方は損です

長尾先生、近藤誠理論のどこが間違っているのですか

家族よ、ボケと闘うな!

ばあちゃん、介護施設を間違えたらもっとボケるで!

抗がん剤 10の「やめどき」

「平穏死」10の条件

胃ろうという選択、しない選択

  • にほんブログ村 病気ブログ 医療・医者へ