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タイ紀行(その13)コンケン大学病院のがん病棟

2016年02月23日(火)

コンケン県のコンケン大学の大学病院のがん病棟を見学した。
がん病棟には放射線や抗がん剤治療中の患者さんが溢れていた。
鼻から入った管から栄養剤を入れている人も大勢いた。


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とっても広い敷地に、大きな病院や関連施設がある。

Srinagarind Hospital_コンケン大学医学部シーナカリン病院




がん病棟の婦長さんにご挨拶。
どこの国も婦長さんの雰囲気はどこか似ている。



大部屋には10人以上の患者さんが並ぶが
ベッドの間にはカーテンなどの仕切りは無い。

どの患者さんにも家族が付き添っている。
家族介護が大学病院の病室では普通だ。




あるいは、こんな感じ。
みなさん管だらけ。




今度は主任さんが相手をしてくれる。
主任さんも日本に居そうな感じの人。



麻薬も日本と同様に使える。
緩和ケアの知識は看護師も相当ある、と感じた。

しかしここはあくまでがん治療病棟。
この大学病院にはホスピス病棟は無い。



余命1週間以内の患者さんの入口には
こうした青い星印がつけられている。

星になる予備軍、という意味なのか。
死んだら星になるのかなあ。





エンジェルセットは日本と同じ。
結構、かわいい。





霊安室も見せて頂いた。
違う階にお坊さんの病棟があり、そこに控えているお坊さんが来てくれるとのこと。






病棟のスタッフたちと。
ちょうど昼飯時になった。





タイの病室は、外側が窓ではなく、廊下になっている。
オープンなのだ。




大きな食堂で昼食をとる。
ご飯におかず2品で100円にも満たない。






コンケンの大学病院のがん病棟は、在宅医療の集合体のように感じた。
辛い辛い治療を最期まで頑張って受けているようだった。

思わず近藤誠医師の「患者よ、がんと闘うな!」を渡してあげたい気になった。
タイでも、「治療のやめどき」なんて概念は、まだ先のことだなあ、と感じた。

医療費は、30バーツ医療なので1日100円。


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この記事へのコメント

タイ紀行(その13)コンケン大学病院のがん病棟 ・・・・・・ を読んで(その1)


タイ紀行(その13)を拝見して、2つのことに感銘を受けています。


まず1つ目は、タイ紀行(その1)~(その13)の全編に亘って
今回のタイ国視察旅行の様子・雰囲気を伝える、国見祐治氏の写真
の素晴らしさ:その時の情景、写っている人の人となり、肌の温
もりまでが伝わってくる上質な写真に圧倒されています。


素晴らしい心と素晴らしい技量をお持ちのカメラマンさんですね。


そしてその2つ目は、今回のタイ国の視察旅行を企画した人の
熱意と人脈の豊富さに、驚かされています。


タイ紀行(その1)~(その8)くらいまでで、レポートも終了
では? と思っていたのですが、(その9)に続き、今回(その13)
がブログにアップされました。 

3泊5日、実質4日間の視察旅行とはとても思えない内容と質に、
大きな驚きと共に、感銘を受けています。 


もし私が同程度の内容の視察をスケジューリングしたら、最低でも
後1日、たぶん2日は余計に要したと思いますし、また、寺院・病院・
小学校 他 への訪問OKを取付けたその企画力と行動力にも驚かされ
ています。


私はタイ国に行ったことがありませんが、タイ国とはどんな国
なのか? 今、タイ国でどんなことが起こっているのか? 
その一端を見せて戴き、とても興味深く拝見しています。


まだまだ続報が続くのでしょうか?
続報を楽しみにしたいと思います。
よろしくお願いいたします。

Posted by 小林 文夫 at 2016年02月23日 08:08 | 返信

タイ紀行(その13)コンケン大学病院のがん病棟 ・・・・・・ を読んで(その2)


今回のブログの中で、“がん病棟で患者さんがベッドに坐り、
身内の方々が大勢ベッドを取り囲んでいる写真を拝見して ・・・・・

私は、上野千鶴子女史が “私の老いと死をプロデュースする?!
という講演会で私たちに示した1枚の写真:8畳間の和室の中央
に布団が敷かれ、そこに最終末期を迎えたおばあちゃんが寝ていて、
その周りを、お嫁さん・お孫ちゃん・ご主人と親戚の方数人が取り囲
んでいる写真”のことを思い出しています。


上野女史は、その写真を示しながら、“皆さんの多くが望む終末期
だと思います。 ・・・・・・ が、このような場面は現代の日本では
‘望んでももう無理です!’” と言い切られました。


長尾先生ご一行の、今回の“タイ国視察旅行”のレポートを拝見して、
タイ国に現代でも残る、濃密で豊かな人間関係を垣間見て、このよう
な社会であれば、日本国で今進めようとしている“地域包括ケア”も
上手く行くのではないか?! と感じています。


その一方で、今回のタイ国で見聞きした事柄を日本に持ってくる
ことの難しさも感じています。


社会の仕組み、宗教、人々の想いが違う ・・・・・・ というようなこと
ではなく、これらの仏教的なバックグラウンドや濃密な人間関係は、
昭和30年代、昭和40年代の日本にも確かに存在したものであり、
それを日本は近代化・社会の進歩として、1つ1つ捨て去ってきた
過去を持っているように感じています。


タイ国からその良い所を学び・吸収するというよりは、日本国の
時間〔時計〕を、40年間逆回転させる(巻き戻す)ことと同じで、
それはもはや望んでも出来ないこと! と絶望感を感じてしまいます。


インターネットと携帯電話の出現(発達)で、私たちは多くの利便
性を手に入れました。 生活が豊かになったと思いますが、その
一方で多くの良い伝統や濃密な人間関係を失ってきたこともあると
思っています。 

でも、良い伝統・仕来たりを失ったと反省(気づく)しても、インタ
ーネットや携帯電話のない社会に戻すことは不可能です。


だから、タイ国の良さを取り入れようと画策するのではなく、現在
の日本国の現状を良く見た上で、全く新しい概念で“地域包括ケア”
を考え実現して行くことが求められているように思います。


日本国は今“超高齢化社会”に突入しています。
 

このことはどこの国も経験しておらず、人類として未知の領域
に入って来ています。 

そのような社会における“地域包括ケア”の在り方も、たぶんどこに
もお手本となるところ(国や地域)がなく、独自にシナリオを組み立
て、新たな道を切り拓いて行くしかなのでは? と思っています。


長尾先生、どうしたら良いのでしょうか???

Posted by 小林 文夫 at 2016年02月23日 08:13 | 返信

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