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サ高住や有料老人ホームの在宅

2016年05月31日(火)

サ高住や有料老人ホームの在宅は難しい。
それはなぜか。
その辺りの事情を医療タイムス5月号に書いてみた。→ こちら
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医療タイムス5月号  サ高住や有料老人ホームの在宅  長尾和宏

 
 幸か不幸か、これまでサ高住や有料老人ホームの在宅を依頼される機会が少なかったが、最近、少しずつ依頼が増えてきた。近隣の施設のみ引き受けているが自宅の在宅とはかなり勝手が違うので戸惑うことが多い。特に看とりが近くなった時には、自宅より多くの労力を要する。日本においては病院での看とりが8割ると、諸外国と比較して突出して高いが、欧米は病院:在宅;施設が1:1;1となっている。今後、我が国の施設における看とりの重要度は増す。しかし制度が複雑すぎたり介護職員の教育レベルの問題など課題が多い。地域包括ケアの概念では、サ高住や有料老人ホームの在宅の近くの開業医が請け負うのが自然であろうがさまざまな阻害因子が存在する。あまり目立たないかもしれないが、多くの開業医が困っているのではないか。

 たとえば、訪問看護が入りにくいことだ。施設には昼間は看護師が居るといっても医療処置は依頼できなかったり、休日や夜間は居なかったりする。かといって外から看護師が入りにくい状況にある。診療報数体系は医師を基準に設計されているが、施設においても主役は看護師である。医師が24時間365日対応であるならば看護師も同様で無いと責任ある医療は提供できない。結局、胃ろうや人工呼吸器や痰の吸引などの医療処置が必要な患者さんは、行き場が無くなる。施設側の利益ばかりが優先して患者さんの利益や開業医側の都合は後回しになっているのが現状だ。そもそも訪問看護が介護保険下に入り、ケアマネの裁量下に置かれていることが問題の根源であると何度も主張してきたが、改善の兆しが見られないことは残念だ。施設の在宅をやるほどに、訪問看護の問題を根本的に解決しないといわゆる「なんちゃって在宅」は減らないだろう。「何かあれば救急搬送すればいい」では病院がパンクするのは自明である。

 次に介護職員の教育問題である。最低限の医療知識も未熟な介護職員が入職しては辞めていく悪循環に陥っている施設がある。「介護離職ゼロ」も大切だが、同時に「介護職離職ゼロ」を本気で目指さないと絵餅になる。50万人都市に1ケ所くらい公的な「介護職の再教育センター」が必要ではないかと提言してきたが、施設の在宅をやるほどにその思いが強くなる。地域のヘルパーさんを集めての勉強会を夜に続けているが、もう少し本格的にやらないと施設での看とりもなかなか増えないと感じる。特に2012年より介護職員が喀痰吸引や経管栄養が行えるようになったが、そのための講習の負担があまりにも大きすぎる。同時に指導する看護師の負担も大きすぎ、早急な改善が必要であると考える。

 サ高住や有料老人ホームの在宅に従事する医師であれば分かるだろうが、携帯電話が鳴る確率は一般の自宅より施設がかなり高い。些細なことで電話が鳴る。転倒して軽く頭を打っただけでも必ず救急車で頭部CT撮影を義務づけている施設が増えている。最近、よく無駄な医療、無駄な検査と言われるが、そのオーダーは施設発であることを分析する必要がある。今後、サ高住や有料老人ホームの在宅は重要であるのに問題山積なため取り組む開業医は増えにくい。むしろ地域包括ケア病棟を有する在宅療養支援病院が担う地域が増えるのではないだろうか。
  
 
 

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