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在宅医療の映画の衣装合わせ
2019年08月04日(日)
在宅医療の映画だが、いよいよ今週から撮影開始となる。
その前に、「衣装合わせ」という過程があり、同席した。
実にいろんなことがあった週末だが蓮のお池が目に残る。
その前に、「衣装合わせ」という過程があり、同席した。
実にいろんなことがあった週末だが蓮のお池が目に残る。
毎週金曜日に「有料メルマガ」を発行している。
タイトルは「ドクター長尾の痛くない死に方」。→こちら
なんと、映画のタイトルも「痛くない死にかた」になったと。
ほんと、驚いた。
以下、8月2日発行のメルマガから一部抜粋する。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
暑いですね。もう、暑いよりも熱いと書いたほうがぴったりす
る気温です。皆さん、熱中症対策は大丈夫でしょうか。私も、
在宅のお一人様の患者さんたちが心配でなりません。エアコン
があるのにつけない人も少なくないからです。あまり知られて
いませんが、熱中症の前触れとして、「こむら返り」が起こる
人が少なからずいます。寝ている最中に足が吊って激痛で目が
覚める。実はこれ、熱けいれんのせいかもしれません。これは
たくさん汗をかいて水を飲んだものの、体内の電解質のバラン
スが崩れ、塩分不足になったために起きている可能性があるの
です。こむら返りを頻繁に起こすようになり、顔色も優れず、
めまいや吐き気を感じたら、ただちに塩分も摂ってください。
こうした場合は、お水より、スポーツドリンクや経口補水液の
ほうがいいでしょう。ちょっと塩を指につけて舐めたり、梅干し
を一口食べてお水を飲むのでもいいと思います。また、夏こそ
お味噌汁をおすすめします。食欲がないというときこそ、冷や
汁や、冷ご飯に冷たい味噌汁をかけてねこまんまにしてみてく
ださい。わざわざスポーツドリンクを買わずとも、水分補給、
塩分補給、さらにはミネラル補給までできるのが味噌汁です。
ただし、味噌汁は傷みやすいので、台所に放置してはなりませ
ん。一度作って荒熱が取れたら、必ず冷蔵庫に入れましょう。
今日は朝から、来週から始まる映画の最終打ち合わせでした。
美術監督や小道具さんに、映画に登場する薬の説明をするのも
私の役目です。今回の映画は、当初、『痛い在宅医』というタイ
トルでしたが、最終的に高橋伴明監督が、『痛くない死に方』と
いうタイトルでいこうと決めてくれました。そう、なんとこの
メルマガと同じタイトルが映画になるのです。物語は痛い在宅
医の成長物語、なのですが、結局、「痛くない死に方」とはどう
いう死なのか? をリアルに描く作品にしたい、というのが高
橋監督の思いです。原作者の私としても、大いに賛成しました。
というわけで、映画『痛い在宅医』あらため『痛くない死に方』
として来週から撮影が始まります。ここまでがっつり映画製作
にかかわるのは私としても初めての経験です。映画というのは
撮影が始まるまでに、山ほどの準備が必要なのだと改めて知り
ました。私の原作本に対し、監督やプロデューサーさんたちが、
綿密な取材を重ねて台本を仕上げてくれます。その台本に則っ
て、数十人の人が動き、ロケ場所を探し、役者さんを決めて、
はたまた薬や、医療機器、衣装や小物一式、それぞれの役柄へ
の所作指導が撮影の前に行われます。今日は、薬の打ち合わせ
の後は、私の役を演じてくださるとある二枚目俳優さんの衣装
合わせに立ち会いました。「な、なんか俺と似ている…?」
在宅医らしい格好とは何かを、その役者さんとお話ししなが
ら、ついそう感じてしまいました。今まで、自分とは似ても
似つかないと思っていた誰もが認める二枚目俳優さんが、な
んだか今日は自分と似ている……いや、似せてくれているの
です。役者さんて、すごいなあと改めて感動しました。
気が付けばその俳優さんのほうが、見学している私の格好を
じろじろと眺めている……? と思いきや、私がいつもシャ
ツの胸のポケットに入れている、スマホを気に留めて「先生
それ、ちょっとお借りしていいですか?」と訊いてくる。
「ああ、いいですよ、もちろん」
「いつも、そうやって首からつるしたスマホを胸ポケットに
入れるんですか?」と興味深げ。
「ええ、そうです。24時間365日、胸ポケットに入れてい
ます。僕は、音は鳴らさずバイブレーションだけですから、
この胸ポケットに入れておくのが一番早く気が付くのです。
この携帯が、患者さんからのファーストコールですから」
「じゃあ、携帯をそうして肌身離さずに?」
「ええ、そうです。寝るときも、ずっと」
「ちょっと借ります」
そう言って、その俳優さんは衣装の左ポケットに私のスマホ
を差し込んで、姿見でチェックします。
「うん、うん、いいね。これでいこう」
高橋伴明監督と頷く俳優さん。僕と同じく、映画では白衣は
着ずに、なるべく普通の地味なシャツとジーパン姿で行こう
と決めました。
……一つでも、リアルに近づくとはこういうことか。改めて
役者さんやスタッフさんの観察眼と、監督の作品への想いに
触れて、私もこの作品のために頑張ろうと新たに決意をした
一日でした。映画はまさに、全員野球。役者さん、制作スタ
ッフさん、監督さん、そのほか多くの人達。原作者兼医療監
修の私。誰がえらいとか、すごいとかはない現場。本音を言
い合い、本気を引き出し、リアルに近づく。
映画『痛くない死に方』、このメルマガとともにどうぞ宜しく。
というわけで本日は朝早かったため、昨晩から東京に入って
いたのだが、ちょうど、「死の授業」のイベントでお世話に
なっている玉ちゃんのイベントが上野であったので、顔を見
に立ち寄った。出張スナック玉ちゃん。いやあ濃いイベント
だった。イベントが終わり、上野公園の不忍の池をふらふら
と歩く。午後9時。夕方まで熱風だったこともあり、ようや
く夜風が気持ちいい。ん? 俺の知っている不忍池と何かが
違う。と思ったら、蓮の花が、闇の中、桃色のつぼみをあち
こちでぷっくりと膨らませて明日の朝の開花を待っていた。
濃い緑の、大きな蓮の葉の影に隠れるようにして、花開く刻
を虎視眈々と伺う蓮の花。熱帯夜に浮かび上がる神秘の桃色。
なんと幻想的なことであろう。振り向けば、上野や湯島の繁
華街。ネオンを肌に浴びたノースリーブのお姉ちゃんたちが
夜な夜な立っている町。そして再度池に目をやれば、そこは
静謐な仏陀の花の世界。不忍の池は、真夏の聖と俗の境界線。
池の中に蓮華あり、大きさ車輪の如し。
蓮華は昔、「淤泥華(おでいげ)」と呼ばれていたという説も。
汚い泥の池の中から、蓮はあれほど美しい花を咲かせる。泥
とはまったく似ても似つかない色の花を。人間世界は、泥で
ある。汚い感情が渦巻いている、煩悩の泥の池だ。その煩悩
の池の中で花を咲かせることこそが、人生だと仏陀は言いた
かったのだろうか。しかし、蓮の花というのは、一日でしお
れるらしく、本当に美しい姿を見せるのは朝のたった数時間
だとか。泥の中で必死に根をはやし、葉を広げ、茎をのばし
つぼみを膨らませて、美しく咲くのはたったの数時間!
人間だってそんなものじゃないか。泥に生きて、泥に死ぬ。
だけど、刹那の美しい時間がある。だから生きられるのだ。
PS)
昨日は、午前3時に看取りがあった。
こうなると昼と夜がゴチャゴチャになる。
午後は、三重県松阪市で2時間の講演をさせて頂いた。
その後、阪神緩和ケア研究会、そして懇親会に参加した。
今日は、大阪で訪問薬剤師さんの勉強会で講演した。
暑い中、毎週末は講演のため、東へ西へ。
その間に相変わらず、往診と看取り。
まだ、死なない。
いや、死ねない。
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この記事へのコメント
長尾先生の役を演じる俳優さんは、亡くなった渡瀬恒彦さんか、渡辺謙さんくらいの年代の人かとおもいましたけど、柄本祐さんと聞いて、監督さんは長尾先生の精神年齢が若いと感じていらっしゃるのだなあと思いました。
渡辺謙さんだったら「長尾先生は、あんなハンサムじゃないよ!」と反感をもたれるかもね。
でも「痛い在宅医」の本で、お父様の死を看取ったお嬢さんの訴えを受け止めるお医者さんは、相当の力量を持った中高年のお医者さんだと思いますけどね。
柄本祐さんの方が、フレッシュだから「在宅医」に好感を持ってもらえるかもと思いました。
Posted by にゃんにゃん at 2019年08月08日 07:22 | 返信
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