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武漢の医療者たち

2020年01月30日(木)

とうとう新型コロナウイルスが我が街に迫ってきた。
大阪市内でも確認されたが当院から市内まですぐだ。
ちゃんとマスクと手洗いをしないといけないなあ。

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世界中がパニックになっている。
もちろん日本もそうなりつつある。

私は「仕方がないなあ」と諦めている。
そもそも開業医では診断もできないし。

結局、思い当たる人は保健所に電話してそこに行くしかない。
もちろん重症と判断されたら、指定の病院に隔離されるはず。

政府はチャーター機で日本人を日本に帰しているが
その行為に大きなリスクを覚悟しないといけない。

その人が日本でまき散らす可能性があるからだ。

いったん太平洋の島に2週間隔離してから帰す国もある。
しかし島民の反対運動が起きるなど、混乱している。


その人を、その家族を、その国を、まるでばい菌マンのように
排除して、差別と偏見が拡大する様子を見ていると、心が痛む。

仏教の絵巻物をリアルタイムで見ている気がする。


そんな中、武漢の病院で今も闘っている医師や
看護師の映像を見て、何か感じるものがあった。

彼らは、承諾書にサインと拇印を押していた。
「感染して死んでも文句を言いません」と。

この覚悟に医療の原点を見た気がした。

たしかに、診察にあたった医師が死んでいる。

市民は逃げればいいが、医療者は立ち向かう。


自衛隊は、命をかけてテロと闘い、
医療者は、命をかけてウイルスと闘う。

どちらもプロとしての使命感がある。
武漢で闘う彼らにエールを送りたい。

これからピークに向かうのだろうけど
10年前の新型インフル騒動を思い出した。

あの時は、宇宙服のような服を着て、県立病院の
隔離病棟で、志願兵として勤務していたなあ・・・ 

クリニックの前の設置したテントに「新型インフル外来」を
作って、そこからテレビの中継にも出たこともあった。  →こちら

新型インフルワクチンの集団接種にも参加した。
様々な政策提言をして、結構、採用されたなあ。

若かったなあと、今振り返れば、思う。

なんでも思い立ったら行動できるのが若さである。
医療者の心意気が試される局面が、近づいている。

私は、新型コロナウイルスはそれほど怖くない。
好きではないが、仕方がないなあ、と思う程度。

医療の歴史は、ウイルスとの闘いとの歴史。
ウイルスに人間がか勝つことは極めて困難。

既に克服されたC型肝炎ウイルスは例外だ。
大抵は、泣き寝入りか共存共栄の道になる。


心の中で、「出動準備」をしている。
武漢の医療者のように頑張らないと。


自衛隊員が中東の紛争地に赴く覚悟をしているように
医療者は困っている人のために身を呈することもある。




PS)
今週は(も)、目が回りそう。
なにがなんだか、分からない。

3日間で5人のお看取りもあり
日付けや時刻が、怪しくなる。

当院は断らない医療で、在宅では「最後の砦」だ。
しかし、その看板も限界が近づいている気がする。

新型コロナウイルスの動向次第では、在宅よりも
感染症を優先しなければいけない事態を覚悟する。










































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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

新聞で読みましたが、町のお医者さんが、大騒ぎになる前に診察して経過観察して再診して、設備の整った病院に、多分最初の国内感染のバス運転手さんをつないだそうです。これから感染者は増えるかもしれませんが、普通の国民としてできるのは、過剰に騒がずお医者さんの判断と日本の医療を信じて、パニックを起こさないことだと思っています。
お医者さんや看護師さんを、一般人として助けられるのはそれぐらいかなと思います。
ニュースを見ていると、医療体制を整える準備は着々と進められているようです。
爆発的な感染が起こらないように、衛生に気を付けた生活をおくるのみです。
まずは、お医者さんや看護師さんの安全からですね。長尾先生、お気をつけて。お医者さんが倒れると
患者も更に倒れます。

Posted by 樫の木 at 2020年01月30日 01:30 | 返信

感染症とは伝染病なのかな、と疑問に思ってググると、
     引用開始
「感染症」と「伝染病」の言葉の意味の違い
体内に入った病原体(感染した病原体)がもとで起こった病気を「感染症」と呼び、「感染症」のうちで生物から生物へとうつるものを「伝染病」と呼びます。
よって感染はしても伝染しない食中毒や、細菌感染が原因の盲腸炎など他者にうつらない病気は「感染症」と呼んでも「伝染病」とは呼びません。
(以下、別の記事引用)
法定伝染病とは、家畜の伝染病の発生・まん延を防止することを目的として家畜伝染病予防法で定めるものをいい、家畜伝染病予防法上は「家畜伝染病」と定義される(家畜伝染病予防法2条)。
なお、かつては伝染病予防法に定められていたヒトの感染性の疾病も「法定伝染病」と呼ばれていたが、伝染病予防法は1998年に廃止され、新たに「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」が制定されたため、現在は法定伝染病といえばもっぱら家畜伝染病予防法に定められた家畜伝染病を指す。
      引用終わり

私は今だに「法定伝染病」と言っていた。やっぱり古いのだなあ、と。
そして「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=410AC0000000114&openerCode=1
というのがあってすごい数の条文がある。
医者はみんなこれを暗記しているのかなあ???

感染症との戦いは医療の原点ですね。
感染症分野だけ保険が使える制度でもいいかも。
そうすれば有害無益なクスリは確実に減る。

Posted by 匿名 at 2020年01月30日 02:46 | 返信

自衛隊は、命をかけてテロと戦わないでください。
国民は、だれも「命をかけろ」とはお願いしていません。
中東派遣は、閣議決定だけで決められました。
反対のデモはありましたが、賛成のデモはありません。
準備万端、艦内には隊員数分の棺が折りたたまれて積まれています。
攻撃があったら反撃せず、沈没前に離れてください。
「君死にたまふことなかれ
 すめらみことは、戦いに
 おほみずからは出でまさね」
 (『明星』明治37年9月号)
アヘやトランプが喜ぶだけ。「違法な命令」にしたがう義務はない。
ミサイル、イージス、宇宙軍は、要らない。
災害救援、土木復旧に、舵を切れ。

医療者は、命をかけてウイルスと闘わないでください。
不眠不休の医療者は、ミスをくりかえす。
不眠不休の医療者は、免疫力を失い自壊自滅する。
過去なんども終息させた中国やアフリカの経験に学び、その教訓を生かしてほしい。
武漢に応援に行けないなら、中国の医療者に来ていただきましょう。

「邦人救出」パホ-マンスを報道するしか能のないマスメディア。
中国を揶揄しヘイトするしか能のないアヘ親衛隊。

「いのち」は、ひとつ。重くも、軽くもない。
古い「政治家」は、よく「国家に命を捧げる」という。
若い「政治家」は、「夜も鎧兜を着ている」「鎧兜を脱いでくれる女が好きだ」という。
胡散臭いのが、他人の命を安売りする「政治家」だ。

Posted by 鍵山いさお at 2020年01月30日 09:03 | 返信

先日私は人生たかだか100年位とか強気なこと言ってましたが、100年生きても長尾先生の人生の10日分にもならないような私の働きぶり~それなのに、本当は一日一日がやっとこさで、あれもこれもあっちもこっちも思うようにいかない日々に喚き散らしたい気分になっていました(一部喚き散らかしていたかも)。でも、武漢で闘っている医療関係者は文句言う暇もなく大変な思いして人々のために働いていらっしゃるのですよね。エールを送ると共に収束の日が早くくることを祈ります。長尾先生、いつも色々なことに気付かせて下さってありがとうございます。世界中、異常気象がもたらす災害と共にかつてない新型ウイルスの拡散などに晒されています。私たちはいつ死ぬかわからないという覚悟をもって生きていくしかないですね。長尾先生の生き方は、いつもそんな風~私もそんな風にと思います。

Posted by 遠い声 at 2020年01月30日 10:05 | 返信

感染症…
目に見えないから ほんとに怖いです

今いる現場でも
利用者さまがインフルエンザに罹るとデイサービスをお休みします
ヘルパーさんはインフルエンザに罹った利用者さまには訪問には行けませんと言われました

訪問看護は・?訪問するでしょ!…

難しいですね…

Posted by 宮ちゃん at 2020年02月01日 12:30 | 返信

武漢の病院状況みていると、あれでは通常の診療はできないだろうと。いわゆる「大病院信仰」の弱点がすべて凝縮されていたように感じました。大病院は軽症から重症まで診れるわけではないし、あれでは病院勤務医がメンタルもたない。また人が殺到する事による感染リスクのさらなる拡大。
患者がたくさん集まる大病院は最大の感染源ですからね。感染リスク高い人も多いし。
こういう事態になると、軽症と重症のトリアージ、本当の意味での病診連携、近医による往診などの必要性を痛感させられます。軽症で大病院外来に通院してる信者の人は後悔するかもしれません。
感染症も緊急事態になれば、災害医療と同じ、いかに協力体制、システマテックにやれるかですね。

Posted by マッドネス at 2020年02月01日 09:52 | 返信

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