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"死"って怖いですか?

2012年02月19日(日)

朝から阪神高速を飛ばして、和歌山に来ている。和歌山は2年ぶりだ。
日本死の臨床研究会近畿支部大会に参加するためだ。
カールベッカカー先生の講演テーマは、「”死”って怖いですか?」だった。
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今朝の阪神高速湾岸線は本当に気持ち良かった。
海が光っていた。
尼崎からたった1時間で和歌山ビッグ愛に到着。

午前の講演
カールベッカー先生は、「死」に関する諸問題をレビューされた。

質疑応答も興味深かった。

Q セデーション(鎮静)と安楽死は違うのか?
A セデーションは患者さんの苦痛を和らげる手段。
  たとえ命が短くなることがあっても安楽死では無い。
  安楽死は、米国のワシントン州でも認められている。
  末期がん患者さんに安楽死薬を渡しているが、いまだ
  その薬を飲んで安楽死したひとはいない。
  いつでも死ねると思うと、人間は生きようとする。

Q 医療者を育てるコツ、看取りスタッフのグリーフケアは?
A 誉めることが大切。
  叱るときは、誉めてからひとつだけ叱る。
  30歳以上は、誉めるとよく働く。
  しかし20歳のゆとり世代は、誉めることに慣れxすぎている。
  怒られるとすぐに止めていくが、これもどうかと思う。


午後のプログラムも充実している。

1 熊野より日本再生の祈り 熊野本宮宮司  九鬼家隆氏
2 「葬式形態の変化」  セレモ平安       高田泰文氏
3 看護における「死」の教育 神戸市看護大学 鈴木志津枝氏
4 医学、特に法医学の立場から見た死」   和歌山県立医大 近藤稔和氏

2の高田氏の講演から

昔は平成11年感染症新法により、感染症第1~3に関してのみ
・遺体の取り扱いの時に手袋をしても良くなった
・24時間以内の火葬が可能に
葬儀社としての死の確認=在宅看取りの場合は死亡診断書の確認である。

直葬(葬儀無しに火葬)は、約5%。
家族、親族葬が30%と、増加傾向。

事前相談(電話相談も含む)の増加も。
葬儀全体の20%と増加している。

4 近藤教授の講演から
 死の三兆候=法律で規定されていない
 脳死=法律で規制されている(臓器移植の時のみ)


ところで
今秋の死の臨床研究会年次大会は必見だ。
11月3~4日 京都国際会館
http://rcpt.kyoto-bauc.or.jp/jard36/

是非、いらしてください。
私も会員なので行きます。


おっと、その前に、日本尊厳死協会関西支部大会が
10月に和歌山で開催されます。
詳細は追って連絡しますので、こちらもよろしく!




 

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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

昨年先生のブログを読んでターミナルケアの仕事がしたくなり、ヘルパーの資格を取りました。
でも実際はターミナルの患者さんを取っている事業所はあまりなく、4か所にあたりましたがどこも取っていませんでした。

今ターミナルではないですが、それに近い患者さん(利用者さん、50代男性)へ訪問しています。
脳に腫瘍が出来、手術できる場所ではない為にあと数年と言われているそうです。
以前訪問した時はまだ自分で車椅子に移乗が出来、立つこともできたのですが、数カ月ぶりに訪問したら言葉もはっきりしなくなっており、右半身は全く動かせなくなっていました。
入退院の繰り返しの中で、先日も「もう早く終わりたい。」「バッサリと終わらせてほしい」と言われたので「役目がある限り死ねないですよ。〇〇さんがいないと困る何かがあるんですよ」言いましたがやりきれない思いが伝わってきて哀れでした。
苛立つのか、ことごとく小言を言い怒鳴り散らされ時々イヤになりますが、先日「あんたまだ来るのか?」と言うので「どうなるか分かりませんけど、来るようになる限り来ますよ」と言うと「イヤならいいんだけどよ」と言うので『来てほしいのかな?苛立ちをぶつけられる相手として認められているのかな?』と、半分納得したような気になりました。

死は眠りのような物、と思いますが、やはり歳を経るごとにこわいと思うようになりました。
どのような原因で死ぬのか、死ぬときは自然と意識がなくなってそのまま終われるのか、そう考えると幸せな死に方が出来る生き方をしたいと切に思うようになりました。
死を目前にした人に何が出来るのか、無力さを感じますが自然の摂理と受け止め「私もいつかは死にますから。もしかしたら明日はもういないかもしれませんよ」と言っています。

死にゆく人の力になれたら・・などと大そうな事を思いましたが、その大変さと手ごたえを感じながらケアにあたっています。

Posted by 桜 at 2012年02月19日 06:36 | 返信

私は死ぬこと自体は怖くありません。
でも、その前の肉体的な苦痛は怖いと思います。
病気で死ぬのって、すごく苦しいものなんでしょうか?
(怖いですけど)機会があれば教えてください。

Posted by ノンノン at 2012年02月21日 09:40 | 返信

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