これまで何度失敗してきたことだろう。

すぐに元気にしてしまい、認定調査の時には
かなりＡＤＬが改善している。
それで「要支援」なんて出たら、もう最悪。

再申請で、また無駄な税金を使う。
認定調査までに元気にしたらケアマネに恨まれる。
最悪のパターンだ。

ウンコまみれならウンコまみれのまま、
寝たきりなら寝たきりのまま、
食べれないなら食べれないままに
しておくと、高い要介護度が出る。

今回、すでにベッドが入っていた。
まだ申請もしていない。
ケアマネは、かなりのリスクを冒している。

そのケアマネの心意気に応える医師としての行動は
認定調査までに元気にしないことなのだ。
こんな倒錯した現場を、お役所は露知らない。

認定調査とは、医療に素人の調査員が機械的に
１００くらいの項目をアンケートのようにチェックする。

たいてい、家族が役所に申請してから１週間後くらいに調査がくる。
この１週間をいかに我慢して過ごすか。
この意味を、家族にも説明して、理解してもらう。


このブログを読んで頂いている霞が関の指導的立場のみなさまへ。

現場はこんなところで余計な苦労をしています。
可哀そうなのは、保険料を払っている患者さん。

末期がんは、通達を出して頂いたおかげで、尼崎では
最短２時間後に認定調査が入るまで改善した。
たぶん、日本一のスピード感だろう。

しかし、困っているのは末期がん患者だけではない。
転倒、圧迫骨折での寝たきり。
医者にかからず、１ケ月経過した老衰での寝たきりも。

私のクリニックでは、スピード感をモットーにしている。
早くて悪いことは何もないだろう。
病院のナースコールが、在宅での往診コール。

介護度の認定制度は、のんびりしてすぎて、現場に合わない。
社協や事業団に合わせているのだろうが、
スピード感を持った事業所にはそぐわない。

認定調査は早ければ早い方がいい。
審査会を廃止して、その場で出ればそれでいい。
それで１件、３万円の経費節減になる。

もっというなら、介護度は主治医が決めればいい。
これならほぼ無料で、１秒で決まる。

もっというなら、７段階改め３段階でいい。

制度のスピード感と簡素化。
経費節減ができ患者は喜ぶ。

消費税増税や介護費増加は、
こんな作業をやってからにしてほしい。


しかし、見かねた看護師が認定調査まで我慢できずに
元気にしてしまうことがよくある。

あーあー！

まあいいか。

現場は現場の風が吹く。