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4月7日(火)
2009年04月07日(火)
深夜の看取り、お役所仕事に訪問看護師が
怒りの涙
今日から赴任した女医さんと診察と往診に同行。彼女は先月まで大学病院の救急におられたテレビドラマから抜け出てこられたようなバリバリの女医さんで、久々に緊張しながら1日を過ごしました。10人以上いる末期がん患者さんの何人かを一緒に訪問しました。
20時からはホスピス入所希望の患者さんたちと1時間相談。クリニックに帰り残務整理していると23時に脳梗塞の患者さんから緊急往診依頼。排尿失神に引き続いておこった一過性脳虚血発作のようでした。経過観察を指示して帰宅。寝ようとすると、昼間に往診した患者さんが亡くなり、深夜、再び看取りの往診。寝る暇がありません。
彼女が大学病院を退院したのは4月1日。末期がんの病気が判明したのが、3月末。たった1週間の在宅医療でした。3月の鹿児島での在宅医学会で発表した演題「在宅期間が1週間以内に終わった看取り症例」に相当します。当院では12例目にあたります。ご家族との関係は良好ですが、残念なことがありました。
それは介護認定調査です。4月1日の急な退院日から介護申請をして介護ベッド等を導入していたのですが、肝心の認定調査すらまだ行われていませんでした。急ぐように電話しても「忙しいから、明日になる」とのこと。お役所仕事とはこのことです。明日なら亡くなっているかもしれない。亡くなったら介護保険は使えず全額自費になるので、ケアマネさんが強硬に交渉して、今日の夕方に認定調査を済ましました。よかった、間に合って。
夜帰り際、担当の訪問看護師さんは泣いてしまいました。「こんな短い間に自分は何ができたのだろう。そして患者さんはちゃんと介護保険料を払ってこられたのに人生最後の1週間にすら介護保険を使えないのは情けない。おかしい」と。私はこの新人看護師の涙に感動しました。こんな感性の看護師さんが入職してくれるぐらいになれた自分自身も嬉しく思いました。
このブログを読んで頂いているお役所の皆さん、官僚の皆さん。何度でも言いましょう。末期がん患者さんの介護認定は、特例で「要介護」でいいのです。介護認定調査はすぐにして下さい。そしてたとえ介護認定調査が終わってなくても、医師意見書に「末期がん」と書いてあったら自動的に要介護2にするとか決めておけばいいのです。
ついでに何度も言いますが、介護認定委員会なんて無駄の塊です。時間とお金の無駄です。即刻中止すべきです。認定調査員が現場でコンピュータ入力して介護度を現場で算出して決定すればいいのです。お役所仕事は止めるべきです。
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