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5月2日(土)
2009年05月02日(土)
世の中はGWに突入しているのに、当院の外来はいつもに増した忙しさでした。
そもそも早朝から携帯電話が鳴り放しです。老老かつ認認介護に疲れ切った80歳代の妻からの悲痛な叫びです。「夫に殺される。自分で死にたい!!」という80歳代の妻からの悲痛な叫び声です。この1?2ヶ月、夫(がんで闘病中でもある)からのDV(家庭内暴力)に疲れ切った妻の最後の選択は「自死」であり、認知症が入ってきた夫自身もなぜか自殺をほのめかし続けています。入院してもトラブルを起こしてすぐに帰されます。
最近、在宅医療の修羅場を経験する機会が増えています。老老・認認の80台夫婦の喧嘩は、それは凄まじいものです。まず暴れ狂う夫から妻をまず保護し、内部および外部専門家数人と相談の後、警察出動を要請しました。医者になって24年たちますが患者さんをなだめるのに警察に依頼したことは初めてです。事件発生(?)から半日、いや2ヶ月、苦渋の決断でした。決して認知症に伴う異常行動ではなく、患者さんの性格の問題に起因した虐待です。警察官5人と当院スタッフ5人で患者さんを説得するのに、6時から3時間も要しました。結局、保護も措置入院も無理と判断し、ヘルパーさんを残して退散しました。
妻の保護を快く受け入れてくれたのは、西宮のNPO法人・つどい場さくらちゃんの丸尾多重子さんでした。今週、まさにこの介護者問題で「みのもんたの朝スズバ」に30分間緊急生出演したばかりの丸尾さんに、まさか今日お世話になるとは思ってもみませんでした。GW渋滞で混雑する2号線を諦めて、兵庫医大の駐車場に車を入れて武庫川から電車に乗り換えて、さくらちゃんに着きました。
自慢話になりますが、当院のスタッフは素晴らしいものです。事件発生(?)から半日経過した夜8時を回っても、看護師やケアマネさんがボランティアで続々と現場(患者宅)に駆けつけて何かと応援してくれます。世の中にはどうしようもない事態があります。普通の世界では放り投げたり、警察任せにしたり(それで解決するならそれでいいのですが)できるでしょうが、今日の事態は我々が粘るしかない事態でした。どうしようもないのです。ミニ浅間山荘事件のような感じです。GWの土曜日の夜、翌日曜日にも家庭生活を犠牲にして手伝ってくれた当院の職員達を心底誇りに思います。神様は見ていることでしょう。
午前中、患者さん達から待ち時間が長いことについての怒声を浴びる中、間の悪いことに、他の開業医がGW直前に放り投げた在宅医療依頼が3例も急に入りました。今日ばかりは、朝も午前も午後も夜もありません。表現が悪いですが、まるで流しの底に集まってくるように当院に助けを求めてくる患者さんや他事業所のケアマネさんの要請に全部真面目に応えて回り続けました。すべての業務を終えて、さくらちゃんに再度顔を出して帰宅すると午前様でした。
毎年、GWはこうなります。当院は特に在宅医療の宣伝をしていませんがあちこちから自然に集まってくる業務でGWはとても多忙になります。スタッフに申し訳ない気持ちで一杯です。
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