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中途半端な抗がん剤治療は止めるべき
2009年12月11日(金)
中途半端やなー。
病院から大腸がんが全身に転移した患者さんが紹介されてきました。まだ歩ける状態ですが、かなり弱っています。これまで型通りの抗がん剤治療を受けたけどそのうち効果が無くなり、主治医は現在はUFTという飲み薬を出されています。
「食欲がなく食べられないのですが、この抗がん剤は続けた方がいいでしょうか?」と聞かれます。町医者でもこんな質問を頻回に受けますが、困ってしまいます。「病院の主治医に聞いてよ」と思いますが、「長尾先生の指示に全面的に従いますから正直に言ってください」とまで言われるとさらに困ります。心の中で「中途半端やなー」と思います。抗がん剤のせいで食欲がないのだと思いますが、病院の先生のお立場も考えると自分の意見は正直、言いにくいものです。
別の患者さんが相談にきました。食道がんの末期状態です。大学病院や別の大病院から「抗がん剤治療の余地なし」と言われていますが、主にご家族が諦めきれず、民間療法や目の玉が飛び出るくらい高い免疫療法を受けています。「長尾先生。何でもいいから抗がん剤を打ってください。1%でも治る確率があるなら死んでもいいですから」と懇願されます。「残念ながら治る確率はゼロだと思います。抗がん剤を止めた方が長生きできると思いますよ」と説明しましたが、キョトンとした顔で帰られました。
抗がん剤治療を開始するのは誰でもできますが、やめる時が一番難しいのです。これは大学病医の抗がん剤の大家やがんセンターの抗がん剤の部長に聞いても、みなさん、同じ思いです。
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この記事へのコメント
私は家族に私が癌になったら ほっておいてくれと言っています。家や土地を売って膨大な額を薬にかける方がいます。何百万円も使い未承認薬を海外から取り寄せたと言われて使われても結果は同じです。目の前で生きている肉親がおられたらかすかな望みに期待するのも人情でしょうが 医師としては大変でしょうね
そのためにも普段からの禁煙とか食事指導とか 必要ですね。
Posted by おじさん at 2009年12月22日 09:03 | 返信
さきほど、不整脈のため抗がん剤治療が中止になった患者さんを往診しました。
「よかったね」と言いました。
ご家族も「助かりました」と言われました。
抗がん剤治療を受けないほうが、どう考えても良い場合があります。
自分自身は、そうなっても受けません。
しかし患者さんによっては、最後まで受けたいという方もおられます。
また、抗がん剤をして訴えられることはありませんが、抗がん剤をせずに訴えられる
可能性はあります。
Posted by カズ at 2009年12月26日 03:46 | 返信
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