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エイヤ!と病院を脱出した認知症患者さんと深夜まで格闘

2009年12月21日(月)

認知症が進行し胃ろうを入れて、療養型病院に転院した患者さんのご家族が一昨日、在宅医療の相談に来られました。病院を退院したい理由は、「家族が病院にお見舞いに行っても看護師さんになぜか追い出される」からです。数時間後さっそくケアマネと病院に診に行きました。なんだかワーワー騒いでいました。ご家族に「早く家に帰られたらどうですか?」と言うと喜びで涙ぐまれました。

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どうやら鼻腔からMRSAが検出されているらしく、そのせいでご家族は追い出されていたのでしょうか?大変仲のいいご家族ですので一緒にいれないことが相当辛いようでした。私は「この患者さんのMRSAは悪さをしないMRSAですから、何の治療も要らず、全く心配いりません」と説明しました。神戸大学の岩田健太郎先生にお墨付きをもらっています。しかしその病院の先生には「MRSAはとても怖い病気であること。これから良くなることは無く、悪くなる一方です」との説明を受けておられます。しかし私は反対の説明をしました。「今、生きていること自体が善玉のMRSAである証なんですよ」と。

今日、本当にエイヤ!と病院を脱出してきてくれた患者さんと格闘でした。病院と同じ興奮状態でしたので看護師に鎮静剤を胃ろうから注入してもらいケアマネさんやヘルパーさんたちが一生懸命相手をしてくれました。深夜も興奮と暴言が収まらず、再度、訪問看護師と深夜の往診をしました。これからが楽しみです。興奮をうまく抑えられれば本来の温厚な性格が見られると思います。嵐のあとの快晴を待つ気分です。
 

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