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訪問診療とは、お遍路さん。そして空海は善通寺生まれの大阪育ち。

2009年12月29日(火)

先週から年末の在宅患者さんを回っています。良いお年を!と言いながら、私自身、元旦に本当に生きているのかな?と頭の片隅で思います。「今、もし心筋梗塞で死んだらパンツを替えていないので恥ずかしいな」なんて妄想を膨らませながら、偉そうに人の家に呼び鈴の返事も待たずに上がり込んでいます。

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行く先々でたまに思いかけずお茶やお菓子を頂くことがあります。2、3軒続くとお腹が一杯になることもあります。1時間も前からフルーツを切ったりして用意してくれている家もあります。たった今、カケロマ島から届いたばかりの青いモンキーバナナを頂いたこともありました。育ちがいいので基本的に与えられたものは何でも食べます。この写真はアンリ・シャルパンテのクリスマスケーキです。今年食べた唯一のクリスマスケーキです。ワザワザ大阪の百貨店でご家族が買ってきてくれた大変ありがたいケーキです。美味しかった! 訪問診療とは、まるでお遍路さんの御接待のようです。

大したことはしません。少し体に触って脈をとったり、お話をしるだけです。訪問した証拠にノートに汚い字でこれまた大したことのないことを書きこみます。本当に大したことないこの単純作業が、しかし本当に今生の別れとなったことが何度もありました。

何度訪問しても、何年訪問しても、一期一会なのです。

今年1年で何回の一期一会を繰り返したでしょうか?外来も含めれば延べ何万回の出会いがありました。時には何気ない一言が患者さんを傷付けてしまい、後で落ち込むことも何度かありました。50歳を過ぎても10代と変わらない精神の幼稚さです。

日曜日の夜、1週間で最も静かな夜に、某大型書店で尊敬する空海に関する本を読みました。空海は私と同じ善通寺生まれ。父親、佐伯善通(よりみち)は讃岐の人ですが、母親は大阪・八尾の人です。空海はどうやら幼少期は大阪で過ごしたようです。大阪で書道の特訓を受けたそうです。初めて知りました。空海は父親より母親側の親戚の影響を受けているようです。つまり讃岐生まれの大阪育ちです。一昨日の葉加瀬太郎といい、空海も大阪育ちと聞いて、なんだか俄然嬉しい話でした。

毎週決まった同じ往診ルートを、雨の日も風の日も獣道のように何年も巡っている自分は
由緒ある尼崎の寺町に食べさしてもらうお遍路さんのように感じます。そんな2009年もあとわずか。年末は南の空に飛ぼうか飛ばまいか・・・まだ迷っています。

 

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この記事へのコメント

先生。高野山など一度いかがでしょうか。空海が未だ生き続けて
人々を見守っていると言われる奥の院(御陵)に続く道には
何十万基と言われる、苔むしたお墓が建ち並び、それはそれは
壮観で荘厳です。空海の眠る御陵の前では皆が頭を垂れ、祈りを
捧げています。いつ見ても胸が熱くなる光景です。

あの独特の空気感は行った者でないと経験できないんですよね。
我が家は御大師様にご挨拶した後、般若心経の写経をして帰って
きます。なかなかお時間の取れないお忙しい先生ですが、いつか
ぜひ行ってみて下さい。祈りと清涼な空気に包まれた素晴らしい
お山です。

Posted by ちろる at 2009年12月29日 06:06 | 返信

ありがとうございます。
高野山は高校時代から何度も訪れています。
宿坊に泊まり、朝のおつとめに参加するのが喜びです。
毎回違う奥の院の横でまだ空海は生きているのではないかと
探し回っています。
高野山の現役の僧侶についてもいろんな店(高野山周辺やミナミ)で
聞き取り調査をしました。まともな僧侶と話したかったからです。
残念ながらまだ出会えていません。

Posted by カズ at 2009年12月29日 06:49 | 返信

そうなんですか!それは嬉しいですねえ。
車で上るとぐるぐる山道で、これこそまさに「修行」と
思ってしまうのですが(笑)それでも奥の院に一歩足を踏み入れると
一面、墓地にも関わらず、なんだか本当に体内が浄化される様な
気がします。御陵には今も食事が運ばれているんですよね。
秋に行ったときには、御陵の地下にちょうど「お茶とお菓子」が
運ばれていました。お坊さんが「おやつの時間です」と説明されて
いました。ユニークですね。とても身近に感じました。

Posted by ちろる at 2009年12月30日 10:07 | 返信

僧侶に接することの多い、京都に住んでいるタクシーの運転手さんや飲食店の人で、僧侶を尊敬している人は、まず、いません。
比叡山の腐敗は大昔からのもので、それに耐えきれないで下山した法然・栄西・道元・親鸞・日蓮などはあたらしい宗派を開いたわけですが、その宗派すら、今では血脈第一の葬式仏教になりはてている気がします。

なぜか高野山からは、新しい宗派を開くほど突出した人が出ていませんが、それは真言宗がよく機能しているからというとそうでもないような。大阪中心部の真言宗末寺に、毎朝、大音量の音楽(お経にあらず)をかけて、寺内の砂利道をスポーツカーで乗り込んでくる僧侶をみていると、いろいろ感じるものがあります。

しかし、これじゃアカンというエネルギーがたまりまくった腐敗の場所から「新しい人」が出るのは、歴史が証明しています。
長尾先生はさしずめ、比叡山医師寺を下りて尼崎の地で、あたらしい教えを実行しているあやしい僧でしょうか。(笑)
上記の比叡山を出た4人の宗祖は、弾圧や流罪にあったりして、苦労の多い一生だったようですが、しかし、その一生で、実際に直接、救ったひとりひとりの魂は深くて多い。
長尾先生の日々に、わたしはお遍路さんに寄り添う弘法大師の心とエネルギーを感じています。

Posted by カンダタ at 2009年12月31日 06:03 | 返信

カンダタさま。私が言いたかったことを全部書いてくださって本当にありがとうございます。世の悪者といえば医者と坊主と相場は決まっています。しかし現在、仏教界の堕落と医療界の堕落はどちらがヒドイでしょうか。正直なところ、私は仏教界だと思います。この数年間、尊敬できるお坊さんを探しました。何人か見つけました。玄侑宋久さん、大下大圓さん、大覚寺の岡本さん。
今日届いた日本医師会雑誌新年号の巻頭特集はなんと「生老病死に寄り添う医療と寺」でした。唐沢会長とお坊さんの対談です。やっとわかってくれたのか!と思いました。しかし気がつくのが遅いのです、唐沢日本医師会会長。もっと早く気がついておられたら、もっと人気が出たでしょうに。しかし気がつくだけ偉い。
私は邪念が多すぎて仏門に入れません。在家になる器でもありません。心の中に、空海と大日如来と内在神を意識できれば幸せです。これさえ出てきたら、どんなロングパットでも入ってしまいます。

Posted by 長尾 at 2010年01月04日 11:28 | 返信

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