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日本病態栄養学会総会(京都)で当院の高木栄養士が講演発表。脱ダム宣言とナサラ農法は同じことを言っている。
2010年01月11日(月)
昨日は京都で開催されている日本病態栄養学会総会で当院の高木栄養士が「当院の食事指導患者さんの栄養分析の実態」について講演発表しました。私も共同研究者です。当院の生活習慣病の患者さんの野菜の摂取量はかなり少ないという内容でした。もちろん野菜をもっと食べる必要があります。しかし「どれだけ野菜を食べるか」ではなく「どんな野菜を食べるか」が大切な時代だと考えています。
ナサラ農法の近藤先生と知り合ってから、野菜に含まれるビタミン、ミネラルの低下が顕著であることを知りました。本来のトマトは水に沈みますが、最近のトマトは水に浮きます。中身がスカスカなのです。そんな貧弱な野菜すらしっかり食べていないのですから、さまざまなミネラル不足が多くの病気と関係していることは間違いないと考えます。
脱ダム宣言の田中康夫議員とナサラ農法の近藤自然環境は、実は同じことを言っている、と最近つくづく思います。
政治と金の問題、普天間基地問題、医療ではマクロ的には医療費全体の問題、など国政には問題山積ですが、そんな時代こそ落ち着いて長期的視点での「国家戦略」が期待されます。八ツ場ダムはまさに氷山の一角にすぎません。新政権はこれから全国約3000のダムに切り込む必要があります。
広葉樹が作る腐蝕層とそれに含まれる微生物が自然なミネラル循環を作っていました。しかしその本来の循環が、見事に切断されています。その事実を多くの国民はまだ知りません。ダム、河川工学の第一人者、今本博健・京都大学名誉教授にはまだまだ頑張ってこの事実を啓発して頂きたいものです。
また以下、大阪の梶山泰男先生にも教えて頂きました。C.W.Nicol は常々一国の中に亜寒帯から亜熱帯までの自然を持っている日本の自然環境は他国に例をみない、ぜひ大切にしてほしい、と言っています。彼はその印税で黒姫に土地を買い、保水力の高い広葉樹を植えて、環境の再生に協力してくれています。
広葉樹の減少に伴い、栽培植物中のビタミン・ミネラル含有量の減少が顕著です。
野生植物と栽培植物では、驚くほど差異があります。
1951年と2001年の50年間の比較データ(文部科学技術省の資料より引用)を見ると、例えば
トマトの・ビタミンAは22%に
・ビタミンCは50%に
・鉄分は4%に、 低下しています。
今のトマトは水に浮きます。
人参は、・ビタミンAは12%に
・ビタミンCは40%に
・鉄分は10%に、 低下しています。
すべての野菜がこんな感じです。
魚もこんな感じです。
イワシ、も ・ビタミンAは32%に
・ビタミンCは28%に
・鉄分は13%に、 低下しています。
野菜やイワシは体にいいと言いますが、あくまで「昔の野菜・イワシ」の話です。
魚といえば、我々はほとんど養殖魚を食べています。
これは抗生物質漬けにされた魚です。
日本の抗生物質使用料は、
●医療機関での内服処方が400トン
病院での注射が100トン、ですが
●家畜(鶏、豚、牛)が900トン
●養殖魚が200トン
●野菜、果実、稲が100トンです。
(日本子孫基金編「食べ物から広がる耐性菌」より引用)
食べ物が見事に抗生物質漬けです。恐ろしい現実です。いろんな病気の一因であることは間違いありません。
医療機関での食事指導も、量から質への転換期になると予感します。しかしこれも結局は、政治力にかかっています。もっと勉強しなくては。
そして広い視野でみると医療問題とは、農業問題、環境問題であると確信しています。
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