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転倒、転倒。往診、往診。そして駐禁。ラーメン屋さんと同じで緊急往診が在宅医療の要。

2010年01月19日(火)

寒くなるとやたらと転倒が増えます。この数日は朝から晩まで転倒、転倒の連絡があり、緊急往診の連続でした。先週の金曜日から10件ぐらいの転倒事故がありました。大腿骨頚部骨折、肩関節脱臼、鼻骨骨折など多彩でした。「病気より事故=転倒が怖い!」といくら説明して回っても転倒します。その度に往診します。緊急往診が在宅医療の要です。しかしたった7分で駐車禁止取締員に捕まりました。昨年は東京まで乗り込んで警視長さんと直接交渉したり、大新聞などのメデイアを巻き込んで散々活動しました。http://medg.jp/mt/2009/09/-vol-258.html

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しかし何も変わっていません。いくら駐車禁止除外票を提示していても右側駐車は許されません。もう10回以上です。怒る元気も無くなりました。降参です。(笑)

「顎の関節が外れたからすぐに来て!」という電話が入りました。ビックリして家の前まで駆けつけると「もう治りましたので来なくていいです」と電話が入りました。1時間後、嵐のような外来をしていると再度「すぐに来て!」と電話が入ります。「どっちやねん!」と思いながら外来を中断して向かおうとすると、別の患者家族から「今転倒したのですぐに来てください」と電話が入ります。こんな調子で1日が過ぎて行きます。ラーメン屋かピザ屋さんの出前と同じです。

別の患者さんはヘルパーさんから転倒の連絡があり往診しましたが、鍵がかかって入れません。普段訪問しても10回に1回も入れません。一人暮らしでドアが開けれないくせに、鍵を預けるのは嫌だと頑固に言われます。鍵を渡すのに抵抗があるようです。認知症という病気が頑固にそこだけは譲らなくさせています。しかし転倒し、鼻の骨も折って、お岩さんのような顔になって初めて、鍵を渡すことに同意してくれました。

ピンポンを鳴らして、中から出ようとしてそのまま転倒。起きあがれなくなり、結局、レスキュー隊に入ってもらって救急搬送したAさんもありました。また、朝電話にも呼び鈴にも出ないBさんは、マンションのベランダつたいに消防隊が入ると案の上、トイレに座ったまま息絶えていました。このように鍵にまつわるエピソードにはこと欠きません。

一番嬉しいのは1日中、鍵が閉まっていない家です。こんな嬉しい家はありません。都会でもこんな家があります。取るものも全くないので泥棒もはいりませんし、我々も楽です。地震や火事があってもこれが一番安全です。2番目は鍵をドアの近所の秘密の置き場所に置いてくれている家です。3番目は合鍵を何本か預からせてくれる家です。1本では無理です。医師用、看護師用、ケアマネ用、ヘルパー用と最低4本は欲しいものです。

今夜は、「在宅医療での栄養を考える会」を立ち上げるための打ち合わせです。
 

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この記事へのコメント

私の祖母もまさに「転倒」で寿命が縮んだ1人だと思います。
当時83歳。家事を一手に引き受けて、本当に「厳格な明治の女」
だったのですが、室内で転んで一週間寝たら「財布が盗まれた」が
始まりました。当時は認知症や介護などという言葉もなかった頃
ですから、看ていた母もそれは大変だったと思いますが、自然と
物を食べなくなり、最後は本当に「枯れるように」旅立ちました。

家の中は危険が一杯、というのは本当だと思います。

Posted by ちろる at 2010年01月20日 06:43 | 返信

ちるるさん
コメント、ありがとうございます。
転倒予防教室を開いても来られるのは転倒しない人たちで、転倒しそな人は来れません。
「死にカラログ」という本に屋内での危険な場所の頻度が詳しく載っています。

>物を食べなくなり、最後は本当に「枯れるように」旅立ちました。
大往生だったのですね。転倒も含めて自然な最期ですね。
転倒も老化のひとつであるという考えもできます。

Posted by 長尾 at 2010年01月21日 01:13 | 返信

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