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深夜、安らかな最期に寄り添いました
2010年02月12日(金)
末期がんを宣告されるも病院にいても仕方がないため、在宅療養を選ばれる患者さんが時々おられます。Aさんもその一人です。3週間前に自宅に帰ってきました。しかし全身の骨に転移したがんの痛みは病院主治医の想像を遥かに超えていました。病院で使用されていた量の10倍以上の麻薬を要しましたが、残念ながら深夜に息を引き取られました。まだ若い方ですが、配偶者や家族に見守られながらの安らかな最期でした。私たちは大したことは何もできません。ただ寄り添うだけです。
末期がんの平均在宅期間は1ケ月半と言われています。わずかの間ですが、毎日のように接しているとご家族とも「情」が生じてきます。朝といい夜といい、そして深夜といい、電話や往診で接しているとなんとも言えない愛おしいという感情が芽生えます。もちろん、訪問看護師が99%の医療をしてくれ、医師はいわばディレクターにすぎないのですが、それでも「抱きしめてあげたい」という衝動に襲われる時があります。
この深夜にポツンと残されたご家族と話しているうち、ふと、抱きしめたい感情が生じました。「よく頑張って介護してくれたね。ありがとう」と。本当の在宅医ならここで、しっかり「ハグ」するそうです。しかし私はまだ一度もそのような洒落た行為が出来たことがありません。もし「ハグ」すると、本当に抱きしめて頬ずりでもしてしまうかもしれないからです。そんな気持の悪い医者はどう考えてもマズイでしょう。というわけで、静かにお祈りして帰りました。帰ると朝でした。今週はちょっとハードです。
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