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何の意味もない退院時共同指導
?いったいどうすれば病院に分かってもらえるのだろう?
2010年02月19日(金)
さすがにもう言い疲れてきました。
無駄な退院時共同指導をするなら早く家に帰して欲しい!
今日も末期がんの患者さんの在宅を頼みたいとのことで病院に呼ばれました。衰弱した患者さんを囲んで申し送りが行われます。ご丁寧にもIVHポート(中心静脈栄養ルート)が埋め込まれて沢山の輸液がされています。当然腹水、胸水の溜まりが加速します。苦しそうに咳をしています。
食べられないから点滴が増える、点滴が増えるから苦痛が増えて余計に食べられない。
申し送りとはIVHポートの管理のことらしい。ポートの抜糸があるので退院は1週間後とのこと。もう何から何までアホらしくて見てられません。
こっそり主治医に予後を聞いてみました。「週単位です」との答えでした。週単位とは1ケ月ぐらいでしょう。余命があと1ケ月しかないというのに、不要なIVHポートを入れて、その抜糸のために貴重な1週間を無意味に費やすのです。これを何とも思わないのか、その神経が理解できません。このボケ!と心の中で思っても相手は一流病院の医師ですからとても言えません。しかし・・・こんな地域医療連携は無い方がましです。ほんとうに辛いです。
その余計なIVHが腹水や胸水を作り、呼吸を苦しめていることに主治医たちは全く気がついていないのです。いつも言いますが自覚症状ゼロなのです。
何度でも言いましょう。
「がん拠点病院がガンである」。
自覚症状がないのです。
食べられない=IVHルートからの輸液、しか頭にないのです。末期がんには高カロリー輸液の適応は無いことすら知らないのですから、何から話していいのかわかりません。彼らに緩和ケアの基本を教えるには2時間は必要です。
「患者さんが不安がるからなかなか退院させられない」と、よく病院医療者は言います。「不安にさせているのは自分たちである」であることに全く気がついていません。「状態が悪いから」、「帰れる状態ではないから」と言いながら、死んでから家に帰ってきます。家に帰るのは生きているうちにして欲しい。病院は死ぬところでは無い!と思わず尊敬する仙台往診クリニックの川島孝一郎先生の顔が浮かびます。
この患者さんが家に帰れる可能性は、経験上、3割と見ました。きっと1週間後には「状態が悪いから帰れず」と知らせがあり、3週間後には「病院で亡くなりました」と告げられるのが普通です。いつも、せっかく作ったカルテに文字が書かれることはありません。
今すぐに帰れるのに、もったいない・・・。何をしているのだ・・・
いつになったら人間尊重の終末期医療に変わるのだろうか。患者さんを目の前にして、何も役にたてないことを、そしてもしかしたらもう会えないことを本当に申し訳ないと思いました。病院の若い医師には、私の書いた「はじめての在宅医療」を熟読して欲しいと心から思います。若くない医師は・・・ハッキリ言って、もうとっくに諦めています。
長尾クリニックに在宅実習に臨床の教授が一人で来た時、医療は変わります。誰が第1号か楽しみです。
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この記事へのコメント
当院におきましても、「退院前カンファに呼ばれたが、患者は結局帰って来なかった!!」とのお叱りを、地域の開業医の先生からお受けすることがあります。
今年は、『治療期からの病診連携を!』をスローガンに、連携室の医師として発信しょうと思います。
Posted by 内藤純子 at 2010年02月21日 01:30 | 返信
内藤先生ありがとうございます。
たぶん、これって全国的な問題だと想像します。
私は、
「再発したら病診連携」もしくは
「セカンドラインになれば病診連携」
と言っています。
もちろんこれは地域のかかりつけ医も十分に心得る言葉だと思います。
Posted by 和 at 2010年02月22日 10:56 | 返信
先日、ある会で『終末期患者さんにとって療養先の選択とそのタイミングがその方の死の迎え方を大きく左右する』ということをお伝えしたところ、大病院のある若いドクターから、「どのタイミングで開業医に紹介するのがいいのですか?」と、非常に良い質問を受けました。
在宅専門クリニック、外来&在宅クリニックによって紹介のタイミングは違うかもしれませんが、
長尾先生の仰るように、「再発したら病診連携」もしくは「セカンドラインになれば病診連携」が
理想的なのかもしれません。また、ひろくみなさんのご意見をお聞きしていきたいと思います。
Posted by 内藤 at 2010年02月24日 02:46 | 返信
内藤先生
長尾です。たしかに良い質問です。
私は自分の思う理想形を広めていきます。
また国民に言ったほうが早いとも思います。
Posted by 和 at 2010年02月25日 02:53 | 返信
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