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ホント、どこまで続けるの?抗がん剤治療。

―人工呼吸器管理下で抗がん剤治療を受ける患者さん―

2010年02月23日(火)

ホント、どこまで続けるの?抗がん剤治療。と問いかけたくなる患者さんやご家族と連日関わっています。今朝は、人工呼吸器管理下で抗がん剤治療を受ける患者さんのご家族が相談に来られました。「長尾先生はどう思うか?」と。私はそこまでして行う「抗がん剤治療」の意味が全く分かりません。心の中で「病気を診て人を診ずとは、まさにこのことだな」と呟いています。また終末期のがん治療は日本医療の縮図だと感じます。

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「がん」しか診ていない医者には「がん」しか見えていません。こんな医者に「人間を見ろ」と言っても無理だと思います。つまり「餅屋は餅屋」です。私は総合医という餅屋のつもりです。それにしても、常識人としての許容範囲があるはずです。すでに死んでいるのに抗がん剤の点滴がポタポタと落ちている患者さんを、病院時代に何度も見てきました。強烈な記憶であり、まだトラウマにもなっています。

商売もギャンブルもまったく同じです。引き際が一番難しいのです。勝っている時は誰も異論を唱えません。だからがん治療は、引き際がもっとも難しいのです。孤独な決断です。外科医や臨床腫瘍内科医は抗がん剤の引き際をもっと真剣に考えるべきです。現状は悲惨です。厳しく言えば人権問題だと感じることもあります。以前、亡くなられた直後の患者さんの口の中を見ると、TS-1(経口抗がん剤)がシッカリ貼り付いていました。主治医からは「死ぬまで服用するように」と指示していましたが、本当に服用していたのです。それにしてもアホな医者です。形勢不利になってからが医者の本当の腕の見せどころなのですが。

今日も在宅で余命いくばくもない末期のがん患者さんに、病院から抗がん剤が投与されていました。引くに引けないのでしょうが、医者も人間らしく時には勇気を持って決断して欲しいものです。

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