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病院に合わせるか、患者に合わせるのか

―病院系と在宅系は真逆―

2010年02月25日(木)

緩和ケアの勉強会には2系統あります。病院系のものと在宅系のものです。両者は視点が真逆です。前者は「患者が来る」、後者は「医療者が行く」ですから自ずと視点が逆になります。病院に合わせるか、患者に合わせるのか。病院系の勉強会は、患者が医療者に合わせるという発想から抜け出ることができません。病院系の話は何度聞いても、姑息なテクニックを競いあったりばかりでうんざりして足が遠のきがちです。施設と在宅の隙間はそう簡単に埋まりそうもありません。

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ちなみに今夜の病院系緩和医療の勉強会。このタイトルを見ただけで私にはビンビン感じるものがあります。これって異常でしょうか?

「社会復帰を希望し、治して欲しいと訴え続けた終末期若年患者の援助を振り返って
―医療者との病状認識のズレにより症状マネージメントに難渋した一例―」

言いたいことが沢山あります。
●「社会復帰を希望し、治して欲しいと訴え続けた」⇒患者ならあたり前ではないのか?何が悪いのか。もし復帰も回復も希望しない患者さんがいたなら、相当なうつ病か変人です。
●医療者との病状認識のズレにより⇒ズレてあたり前、ズレないことは普通は無い。そもそも病状認識とは患者さんにだけ使う言葉であり、医療者は当然情報を独占しているので認識という言葉自体不適当。また「ズレ」に寄り添うことこそが医療者の重要な仕事である。このズレをいけないものと感じること自体が医療者の傲慢である。
●ズレにより症状マネージメントに難渋した=ズレで難渋=患者が悪い=自分は正しい。

こんな話が続くと日本の病院系緩和医療には絶望を感じます(ごめんなさい、本音を言ってしまいました)。我々(=在宅ホスピス医)の言語と、あちら(=施設ホスピス医)の言語は全く別ものです。いつも話が通じません。泣きたくなるような壁があります。

病院=偉い、権威がある。診療所=アホ、ものが分かっていない。と見られているように感じます。病院は常に上から目線です。(例外もありますが)

施設系の緩和ケア勉強会はすべてこんな感じです。病院を中心に世界が回っていると勘違いしています。

正しくは患者を中心に回っているのです。

まあ末端開業医が何を言っても病院のエラい先生には通じませんが・・・

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