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がんの権威からの抗がん剤投与を巡る葛藤
2010年03月06日(土)
がんの大手術を受けた患者さんが寝たきりになって帰ってきました。在宅医療を頼まれ、3週間前から点滴等でやっとちょっと元気になって来られました。今週、がんの権威の外来を受診しました。3時間以上待たされて、言われたことは「来週から抗がん剤治療を開始しましょう」でした。飲む抗がん剤ですが、歩くことも食べることもまだ充分でないので、ショックを受けた本人から「抗がん剤を拒否したい」と相談されました。
がんの権威が言われることに町医者ごときが意見することは、本来なら、天皇陛下さんに平民が意見するのと同じで、失礼千万なことです。しかし、私は患者さんに「私もそう思うが、自分で考えをがんの権威の先生にちゃんと伝えてよく相談してね」と言いました。
がん治療のガイドラインが定められています。勝手ながん治療が出来ないように、今は「ガイドライン」という便利なものが出来ました。何か不都合なことが起きても「ガイドラインに従った治療です」と言い訳ができます。裏を返せば、ガイドラインに書いていないことをして裏目に出て、もし訴えられれば、医者が負ける可能性があるわけです。
ガイドラインはあくまで標準指針にすぎません。しかしこの患者さんに限らず、ガイドラインに振り回されている患者さんが多いのも現実です。しかしがんの大先生はそんな葛藤を知る由もありません。まあ私のような町医者が、時間をかけて相談に乗ってあげればいいだけだと思っています。
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