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看板に偽りあり、全国2万ケ所の在宅療養支援診療所
2010年03月07日(日)
市民から質問が出ました。「先日、在宅療養支援診療所の看板を揚げている医療機関に在宅医療を依頼する電話をかけたら軒並み断られましたが、何故ですか?」と。私は「看板に偽りありなのです」と思わず本当のことを言ってしまいました。全国に10万件の医療機関があり、2万件が在宅療養支援診療所の届け出をしています。しかし本当に機能しているのは、1割以下とも言われています。まさに「看板の偽り」に市民が気がつく時代になりました。
今どきの開業医は経営がギリギリです。だから「とりあえず在宅医療の看板だけでも掲げておこう」という医療機関が大半です。生き残るための生存本能ともいえます。私も全くやる気も経験もないのに看板だけは掲げている診療所を知っています。要するに在宅の看板は「ダミー」なのです。
そもそも「在宅療養支援診療所」とはなんでしょうか?2006年から厚労省が、365日24時間対応することを条件に申請を受け付けた制度です。手を挙げればだれでも在宅療養支援診療所になれます。在宅療養支援診療所の届出をしていると、同じ訪問診療や在宅看取りをしても点数が高くなるように政策誘導されています。だから猫も杓子も届け出だけはしておこう、となってきています。実際にやらなくても全然いいのです。
当然、敷居を高くしようという考えもあります。年間看取り数20件以上、看取り率70%以上にしようなんて声も上がっています。実績のない診療所は却下しようという意見もあります。いやいや、そんなことをしたら、折角広がりかけた在宅医療の裾野に影響がでるからダメだとか、超優等生の在宅クリニックは更に点数を上げよう、なんて欲深いことを言う在宅医もいます。
難しい話しです。何らかの制約はそろそろ考える時でしょう。市民から怪しい目で見られていることを受け止めて手を打つ時期です。
在宅医療機関は看取り数から見ると、ドラゴンヘッドとロングテイルから成り立っています。恐竜の頭と尾です。頭のほうが目立ちますが、実は尾を足したものの方が長いのです。本来そうあるべきだと思います。だから頭だけでなく、尾も育てる政策が求められます。
診療報酬が優遇されている頭となる診療所には、教育機能を義務づける。この点も大事です。
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