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治療可能な認知症とアルツハイマー型認知症の周辺
2010年03月11日(木)
「治療可能な認知症とアルツハイマー型認知症」とのテーマで、合志病院の松本強先生と兵庫医大の笠間周平先生の講義を聞きました。認知症、認知症と簡単に言いますが、認知症診療にはまず確実な診断が必要です。誤診している場合も多くあります。奥が深いのです。以下、医療者用のサマリーです。
【脳外科で治療可能な認知症】
慢性硬膜下血症と正常圧水頭症が大切。
【うつ病と認知症の鑑別】
うつ病でも認知症状を呈することあり。仮性認知症ともいう。
【もの取られ妄想】
老化に伴う生理的物忘れは、ものを探す。認知症の物忘れは探さない。認知症の振り返り動作は有名。自分で認知症と言ってくる方は認知症ではないことが多いが、否定する人に認知症が多い。=認知症は病識がない。
【薬剤性認知症】
シメチジンが有名。
【前頭側頭型認知症】
いわゆるピック病のこと。反社会的行動。常同行動。身だしなみを気にしない。自発性の低下。高齢発症ALSとの合併例が注目されている。
【DLB:レビー小体型認知症】
幻視などの視空間認知障害が前面に出る。アリセプトが著効する場合が多い。
レム睡眠行動異常がみられる。夜中にリアルな夢をみて叫んだりする。
リボトリール0.5を使用する。セレネースは使わない。
【パーキンソン病とDLB】
現在では、パーキンソン病とDLBはほぼ同じ病気と考えられている。パーキンソン症状が先か、認知症状が先かだけのこと。アルツハイマー型認知症ともかなりオーバーラップしている。
【周辺症状(BPSD)治療薬】
セロクエル、ルーラン、リスパダール0.5頓服をよく使う。
【忘れてならないのがVB1欠乏症】
別名、ウエルニッケ脳症。アルコール依存所の方に多い。カップラーメンばかり食べている一人暮らしの男性。
急性期=ウエルニッケ脳症
慢性期=コルサコフ症候群という。
ウエルニッケ脳症にはブドウ糖の点滴は禁忌。必ずVB1も一緒に補充する。
生き残ればコルサコフ症候群となる。詐話が有名。5分前のことも覚えていない。
歩行障害が特徴的。痙性歩行。四肢のしびれ(=polyneuropathy)もある。
【クロイツフェルト・ヤコブ病】
急速進行性。2~3ケ月で寝たきりになる。ミオクローヌス、脳波所見(PSD)が特徴的。
【橋本脳症】
甲状腺機能は正常だが、抗TPO抗体や抗TSHレセプター抗体が陽性の認知症。ステロイドが著効する。剖検例が世界でまだ2、3例しかないのでまだ研究途上。しかし病気自体は広く認知されてきた。福井医大で発見されたNEA抗体が陽性となる。
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