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アルツハイマー病は慢性病です
2010年03月11日(木)
認知症の診断は時として難しいものです。毎日、たくさんの認知症患者さんを診ていますが、バライエテイ豊かです。ひとくちにアルツハイマー病と言っても、病期も、個性も千差万別です。誰ひとり同じような認知症はいないと感じます。また基本的なこととしてアルツハイマー病は慢性に経過する病気です。しかし、稀に「お医者さんごっご」をされるケアマネさんがいて困ります。これはいつも講演等で話します。
先週まで正常であった独居老人がいました。ある日訪問すると別人のように認知症状を認めました。CT検査を勧めましたがご家族は拒否されました。ケアマネが「認知症ってこんなものよ。1週間で急になるのよ」と説明していたのです。
私はそのケアマネを呼び出して注意しました。「あなたは医者ではない。なんで勝手に診断するのか。だいいち、認知症は徐々に進行する病気で、1週間で急激になる病気ではない」と。こんな調子ですから、ケアマネさんに嫌われるのでしょう。
家族を説得してCTを撮ると、案の定、慢性硬膜下血腫でした。即日入院して手術して頂き、見事に認知症は改善しました。
私はこれを「ケアマネさんのお医者さんごっこ」と呼んでいます。医療知識を勉強すればするほど、自分が医者になったような気分で、診断をしたり、勝手に病院を紹介したり、勝手に救急車で入院させるケアマネがいて、困っています。ケアマネ研修では、必ずこの話をします。イヤな医師だと思われていることでしょう。仕方ありません。
認知症の勉強会はケアマネさんと一緒に頻回にしていますが、やはり診断や治療には責任が伴います。すべての責任は医師に課せられます。医師を馬鹿にするのはいいのですが、その点(責任を負っている点)だけは、ケアマネさんに理解して頂きたいものです。
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この記事へのコメント
すみません。。なるほどとしみじみ判ります。。薬剤師も同じですね。
ケアマネさんは薬剤師よりもっともっと現場の事情や雰囲気を良くご存知ですのにこういうことなんですね。
なんでも最終責任は医師ですからそこは充分判っているのに。。薬剤師も今後この長尾先生の一言を
噛み締めて地道に薬に特化したしかしながら現場のことを良く判るという賢い医療従事者を目指さなくてはならないこと、良く理解しました。有難うございます。肝に銘じなくては。
Posted by 狭間紀代 at 2010年03月13日 06:47 | 返信
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